大手楽器店のようなブランド力のない個人がピアノ教室を運営するなら、他の教室にはない要素で「差別化」をはかるのが有効というお話をしました。↓
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ピアノ教室開業を成功させるために|「他の教室との差別化」という戦略
楽器店でピアノ講師をしています。いずれ自分の教室を持ちたいと考えているのですが、自力で生徒を集められるかどうか自信がありません。 福耳生徒募集はいつもピアノの先生の悩みのタネなんですよね。 これから自 ...
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上の記事では、教室の強みとして「高い指導力」や「高級感」のほか、「フレンドリーさ」や「月謝の安さ」をアピールすることも可能とお伝えしました。
この記事では、「月謝の安さ」をアピールしてピアノ教室を運営していくことに関するメリットとデメリットについてお話しします。
目次
ピアノ教室の月謝はいくらだと「安い」?
そもそも、「ピアノの月謝が安い」というのはどれくらいの金額のことを指すのでしょうか。
ネットには、ピアノの月謝についての様々な意見が飛び交っています。
子どもの習い事や勉強に関する情報を紹介する「キッズならいごと」というサイトでは、全国の一般的なピアノ教室の月謝の相場を知ることができます。↓
https://kids-narau.com/piano/112
このサイトによると、SNSを通じたピアノ教室の月謝に関するアンケートで、最も割合が高いのは「5000円/月額」という結果でした。
アンケートで次に多いのは「7000円/月額」となっていますので、1ヶ月5000円というのはピアノの月謝としては「安い」ということができるでしょう。
また、大手楽器店主催のピアノ教室の月謝も参考にすることができます。
大手よりも月謝をある程度低く設定することで、「月謝の安いピアノ教室」を演出することができます。
ピアノ教室の月謝の相場は地域によって大きく差があるものなので、ぜひお住まいの地域の教室を参考にするようにしましょう。
ヤマハ音楽教室のサイトはこちら↓
https://www.yamaha-ongaku.com/music-school/
カワイ音楽教室のサイトはこちら↓
ココがポイント
ピアノ教室の月謝を安く設定するなら地域の大手楽器店の月謝金額を参考にするとよい
月謝の安いピアノ教室を運営するメリット
新規生徒募集にはやはり有利
ピアノ教室の月謝を安くすることは、本当に生徒募集に有利なのでしょうか。
月謝が4000円というのは、単純計算で1回あたり1000円でピアノを教えていらっしゃるということ。
上の項のアンケートと比べても、相当に「安い」金額と言えると思います。
実際、しばらくの間私の教室への新規入会者はゼロになりました。
というわけで、やはり地域相場よりも大幅に月謝を安くするのは集客戦略としては有効と言えそうです。
人数が多いので発表会などが開催しやすい
月謝の安い教室は口コミで人が集まりやすく、地域で人気が出やすい傾向にあります。
人気がある教室はさらに生徒が集まり、先生お一人で50人以上の生徒さんを教えているお教室もあるくらいです。
そうしたピアノ教室では、実に華やかに発表会を開催することができます。
発表会は一定の数の生徒がいないと開催が難しいもの。
人数の多い教室ほど会が盛況な雰囲気になりますので、さらに口コミで人が集まりやすいのです。
演奏の内容よりも衣装や曲目に興味・関心が集まる傾向になりますが、それもまたピアノという楽器との付き合いかたのひとつといえます。
既存の教室との住み分けが可能
もちろん、そのご近所のお教室も存続しています。
実は、生徒や保護者がピアノ教室に求める要素は本当に様々。
「ピアノは、かわいいドレスを着せて発表会に出られれば良い」という考え方もあれば、「ピアノの発表会には出たくない」「ひたすらテキストを進めたい」など色々な意見があります。
私の教室での入会希望者が回復したということは、そのお教室と私の教室はうまく顧客を住み分けて共存しているということ。
地域の学習者にとっても望ましいことといえるでしょう。
以上のように、月謝の安いピアノ教室を運営するメリットは大いにあると考えられます。
ココがポイント
ピアノの月謝を安くするメリットは、・新規生徒募集に有利・発表会が開催しやすい・既存の教室との住み分けが可能。
月謝の安いピアノ教室を運営するデメリット
不思議なもので、月謝の金額の低いピアノ教室ほど生徒からの過大な要求に悩まされているという事実があります。
私の講師仲間に、「ピアノで地域に貢献したい」という思いが強く、とても安い金額でピアノを教えている人がいます。
その先生と会って話すたびに、世の中には予想もつかないような言動をとる生徒や保護者がいるものだと考えさせられます。
それは、複数の保護者による以下のような言動と、過大ともいえる要求です。
- 無断でレッスンを休む
- 連絡なく遅刻したあと時間延長を要求される
- しょっちゅう急な振替レッスンを要求される
- その振り替えられたレッスンを休む
- 生徒都合で休んだ月謝の減額を要求される
- 月謝を滞納する
- 滞納したまま退会する
やはり教室規約は大切です。↓
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私自身にも覚えがあることですが、若い頃、月謝を地域相場よりやや安くして教えていた時期に、やはり何回かこのようなトラブルを経験しました。
まだ自分のレッスンに自信が持てず、相場並みの月謝を頂く気持ちになれなかった頃のことです。
さすがに月謝を滞納したままやめてしまう人はいませんでしたが、無断遅刻や欠席は当たり前。
生徒都合で休んだ月謝の減額要求もありましたし、「子どもが泣いて帰ってきた」と怒りの電話がかかってきたりしました。
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なぜこのようなことになるのでしょうか。
「月謝が安いから」という理由であなたの教室に通っている生徒(保護者)は、ピアノに対する優先順位が低いのです。
学年にもよりますが、「学校の次に大切なのは①部活 ②塾 ③その他の習い事 ④友人との約束 ⑤家庭内の事情、でピアノはそのあと」くらいの優先順位という感じ。
保護者が「ピアノは月謝が安いから習わせている」くらいの感覚を持っていると、このようなことが起こります。
こんな状態では、情熱を持ってピアノ指導することはできません。
ココがポイント
月謝の安いピアノ教室を運営するデメリットは、生徒とのトラブルやクレームが増えがちなこと。
まとめ
- ピアノ教室の月謝を低めに設定するなら、大手楽器店の地域の月謝相場を参考にするとよい
- 月謝の安いピアノ教室を運営するメリットは、・生徒募集に有利・人数が多いので発表会も盛大に
- それにより、さらに口コミで生徒が集まる効果
- 既存の教室との住み分けが可能
- デメリットは、生徒・保護者からのクレームやトラブルが起きやすいこと
私もピアノを教え始めて間がないうちは、自分のレッスンに自信が持てず、自分の強みも分からず迷走した時期がありました。
ご自分がどんなピアノレッスンをするのか、生徒をどれくらい集めたいのか、また生徒たちとの関係性をどのように築いていくのか、やり方はひとつではなく正解もありません。
まずは月謝を安くして大勢の生徒を集め、盛大な発表会を開きつつだんだんとレベルアップし、次第に熱心な生徒だけ残るようにするという高度なワザを使う先生もいます。
あなたの教室のスタイルはあなた自信が作っていくのです。
まずは、思う通りにやってみましょう!
応援しています。