個人でピアノ教室を運営しようとする講師は、教えるだけでなく、1人で様々な役割をこなす必要があります。
生徒募集から始まって問い合わせへの応対、入会して頂くための「営業活動」、顧客(生徒)対応まで1人でこなさなくてはなりません。
音大ではピアノの演奏技術を学ぶことはできますが、、このようなことまでは教えてくれませんので自分で色々と工夫する必要があります。
以下の記事では、問い合わせがあってから体験レッスンを経て入会が決まるまでの手順をお伝えしました。↓
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あとは練習あるのみ!ではありますが、「こうすると比較的成約しやすい」方策というものは存在します。
今日は、そんなちょっとしたコツのようなものをお伝えしていきます。
目次
ピアノ教室入会成約率アップのコツ
入会成約率を上げるには、体験レッスンの時に以下のことに気をつけると効果的です。
- 体験レッスン当日の雰囲気づくり
- 体験レッスンの前後にヒアリング面談を行う
- 体験終了後、成約してからのアフターフォロー
現在では、ピアノ教室への入会を検討するなら体験レッスンを受けてみてから決めるというやり方が主流となっています。
体験レッスンは、必ず予約をして行われるもの。
つまり、ピアノを習いたい人がなんらかの手段であなたの教室にアクセスしてきたその瞬間から、すでに体験レッスンは始まっているということです。
メールなどでのやり取りには十分な注意が必要です。
体験ピアノレッスン当日の雰囲気づくり
第一印象はことのほか大切。
私は、以下の点に気をつけています。
体験レッスン当日の注意点
- 笑顔
- 明るい声のトーン
- 子どもと話すときはできるだけ近い目線で
笑顔
何はともあれ笑顔でお迎えしましょう。
あなたと同じように、問い合わせをしてきた保護者と子どもも緊張しています。
先生がニコニコ笑っていれば、それだけで安心感が増すはず。
明るい声のトーン
普段よりも少しだけ声を張ってわざとらしくならない程度に元気さを演出します。
また、どのような先生に見られたいかを意識した雰囲気づくりを心がけましょう。
以下の記事も参考にしてみて下さい。↓
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子供と話すときはできるだけ近い目線で
子どもから見ると、見知らぬ大人というのはそれだけで少し怖く感じるもの。
彼らの警戒心を解くために、私は自分自身も身を低くして、なるべく同じくらいの目の高さで話します。
「この先生ちょっとコワイ」と思われたらおしまいですので。
ココがポイント
体験レッスン当日は・笑顔・明るい声・子供と話すときの低い目線、を心がける
ピアノ体験レッスン前後のヒアリングのコツ
体験レッスン前情報収集のコツ
さて初対面のあいさつが終わりました。
この硬い空気感のまま体験レッスンを始めるのはおすすめできません。
特に本人が緊張しているためです。
いきなり身上調査みたいにならないように、学校や幼稚園のこと、好きなアニメやテレビ番組、歌などの雑談から話を始めると、お互いに緊張がほぐれてきてよい効果があることがわかってきました。
会話をすることで親子の自然な状態も見ることができてレッスンの参考にもなります。
そして場の空気がほぐれたところで、今までの音楽歴やレッスンへの希望などの本題に入っていくのです。
この「体験レッスン前ヒアリング前の雑談」の効果は高く、来て早々に体験レッスンを始めていた頃よりも入会成約率は明らかにアップしました。
子どもが心を開いてくれることで体験を「楽しい」と感じてくれるようになるためではないかと考えています。
ココがポイント
自然な会話で初対面の緊張した空気感を和らげてから本題に入る
体験レッスン後成約狙いのコツ
さて体験レッスンは滞りなく終了。肝心なのはこの後です。
体験レッスンが終わってもすぐには帰さないのがミソ。
笑顔でどうぞこちらへ〜と語りかけ、再びおかけ頂きましょう。
そして、レッスン中のご本人の反応をもとに、こちらから先にお子さんをプラス評価します。
- 「明るくて活発なお子さんですね」
- 「とても思慮深いお子さんですね」
- 「手先が器用ですね」
- 「すごく集中力がありますね」
などなど。
先に発言することで、場の空気をプラス方向に持っていくことができます。
それから今の体験レッスンの感想を聞き、先方が前向きな発言をされたところで「いかがですか?」と成約に結びつく言葉かけをしてみましょう。
うまくいけば、「お願いします」という返事が頂けるはずです。
もちろん、「他の家族と相談します」と結論を持ち越される場合もあります。
それならそれで、ご縁があることを祈りつつ余裕を見せながら気持ちよくお帰り頂くのがよいでしょう。
決して「ぜひご入会お待ちしています、よろしくお願いします」などとは言わないことをお勧めします。
ココがポイント
体験レッスンが終わったら、先に子ども本人へのプラス評価をすることで場の空気を成約へ近づける。結論を持ち帰る場合は入会を頼むような発言はしない方がよい。
ピアノ教室入会成約後のアフターフォロー
首尾よく入会が決まり、教室規約を渡して、あとは初回のレッスンを待つばかりとなったとき。
ダメ押しのメールを送るとさらに安心です。
一例ですが、以下の内容を書いて送るのはどうでしょう。
アフターフォローのポイント
- 体験レッスン受講と入会のお礼
- 初回レッスンの日時確認
- レッスンへの希望の聞き取り
- 用意して頂くものの確認
- 当日を楽しみにしているという文言
自然でさり気ない、どちらかというとあっさりとした文面がよいと思います。
あくまでもこちらが「指導者」なのだという立場を崩さないのが吉。
そして、このメールを送ることで保護者とのつながりをより確かなものにすることができます。
ココがポイント
入会成約後、アフターフォローのメールを送っておくと保護者に信頼感を与えられる
まとめ
- 体験レッスンは、ピアノ教室の営業活動
- 入会成約率アップにはコツがある
- 体験レッスン当日は明るい雰囲気で
- 体験レッスン前に会話することで互いの緊張を解く
- 体験レッスン後にポジティブな言葉かけをすることで成約を狙う
- アフターフォローのメールを送って信頼感醸成
個人でピアノ教室を運営する講師は、教えることだけが仕事ではありません。
まずは自分の教室に生徒を呼んでこなければピアノを教えることはできません。
生徒を入会へと導くための方法を詳しく知ることは、自分自身の演奏力を磨いたり、教え方を研究するのと同じくらい大切なことです。
「ピアノ体験レッスンはピアノの先生の営業活動」。
それをお伝えしたこの記事が、もしもあなたのお役に立つことができたなら幸いです。