「ピアノ教室の生徒募集にはネットを駆使するのが当然」という時代になってきました。
ただし、ネットでの集客には常に多少のリスクがつきものです。
特に自宅でのピアノ教室開業を希望する先生にとっては個人情報の管理などのハードルが高いのも事実。
というわけで、あえて時代に逆行するかのような「ネットを使わない王道ピアノ教室集客法=口コミ」に焦点を当ててみたいと思います。
福耳と同じように、ITに苦手意識を持つあなたに捧げる記事です。
目次
ピアノ教室の生徒を介した口コミの広め方
生徒を介した口コミを起こす方法
- 兄弟姉妹の入会を促す
- 友人を紹介してもらう
- 生徒を「ピアノを使った学校行事」で活躍させる
兄弟姉妹の入会を促す
特に解説の必要のない、基本中の基本。
2番目、3番目のお子さんというのはお兄ちゃんやお姉ちゃんのマネをしたがるもの。
彼らがカッコよく(思えるような)ピアノを弾いているのを見て憧れ、「自分もピアノを習いたい」と言ってくるケースはとても多いです。
また、弟や妹が習い始めるのを見た当のご本人が「負けられない」とばかりに謎のライバル心を燃やし、急に練習に熱心になるということも。
私の教室では、保護者が連れてくる生徒の弟妹のレッスン見学を許しています。
あくまでもレッスンに影響を与えない範囲であれば、保護者が弟妹の面倒をみますので大きな混乱はありません。
これにより、弟妹にピアノに対する興味を持ってもらう戦略です。
生徒に友人を紹介してもらう
幼稚園や小学校低学年の女の子に多いケースです。
彼女たちは仲間意識が強く、また保護者(多くはお母さん)同士も仲が良いのが特徴。
お友達のお子さんが「〇〇ちゃんが習っているピアノ教室に私も入りたい」と言ってくれたらしめたもの。
ママたちの間でとんとん拍子に話がまとまり、成約につながることは多かったです。
また、チラシを渡すなどして「もう◯人集まったら新規曜日で開講しますのでお心当たりのお友達にお渡し下さい」と新規入会を誘う手もあります。
もちろん、ご本人の〇〇ちゃんのピアノがお友達にとって素敵に見える・聴こえるように指導する必要があるのは言うまでもありません。
生徒をピアノを使う学校行事で活躍させる
ピアノを使う学校行事といえば、なんといっても校内合唱コンクール。
同学年同士のクラス対抗などで近年かなり盛り上がります。
なぜか大抵指揮者は男子、伴奏者は女子が担当することが多いようです(もちろん逆でも構いませんが、ここはそれを論じる場ではありません。)。
ひとクラスに1人しかいない「ピアノ伴奏者」の座をめぐって、女同士の熱いバトルが繰り広げられることもある模様。
ここはなんとしてもゲットしてもらいたいところです。
私は、伴奏者用のオーディションがある場合は普段のレッスン曲を一時休んで伴奏曲のレッスンをしています。
「テキストの進度が遅れる」と眉をひそめる先生もいらっしゃるそうですが、なんとももったいない。
彼女らは知らず知らずのうちに教室の広告塔になってくれているのです。
また、晴れて伴奏者の座をゲットした生徒が、行事が終わった後も以前より一生懸命練習するようになり、結果的に進度が早くなったケースもあります。
合唱コンクールの他には文化祭でのクラブ活動や、体育祭などの入退場行進時の演奏を担当した生徒もいました。
学校行事は保護者の目にもとまります。
常に意識してしすぎることはありません。
ココがポイント
生徒を介した口コミに有効なのは弟妹の入会・友達の紹介・学校行事での活躍
自身の子どもを介してピアノ教室への口コミを広めるには
以下の記事をご覧下さい。↓
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もちろん、欲張りすぎて子どもさんの幼稚園・学校生活に影響などあったら一大事。
ここは工夫する必要があります。
- 友人関係
- ママ友
- クラス・学校PTA役員
子どもの友人関係
特に年齢が低い場合に有効です。
幼稚園〜小学校低学年にかけて、子どもたちはお互いの家を行ったり来たりして遊ぶことが多いのではないでしょうか。
そんな時、たまにピアノに関心を示す子がいます。
他の子たちがピアノに目もくれずわらわら遊んでいる傍らで「猫ふんじゃった」などを見よう見まねで弾く子というのは、ピアノへの興味がある可能性大。
そんな子には、タイミングを見つけて「猫ふんじゃったの続き教えてあげようか〜」などと言って、さりげなくその先への興味を誘います。
数日後にお母さんから「なんかウチの子ピアノやりたくなったって言ってるんですけど‥」と連絡があったらしめたもの。
あくまでもこちらからは行動を起こさず「先方からの連絡を待つ」のがポイントです。
間違っても子どもの友人関係に影響を及ぼさないよう、「うまくいけばもうけもの」くらいの感覚でいるのがポイントです。
ママ友を介しての入会
子ども同士は性別が違うなど特に親しくはないものの、母親同士でなんとなく意気投合して親しくなることがあります。
いわゆる「ママ友」ですね。
ママ友は、なかなかデリケートな人間関係ではありますが、付かず離れずの快適な関係を保ってお付き合いをしていると、時々「ウチの子をお願い」と頼まれることがあります。
Yahoo知恵袋などには、「子どもの友達や自分の友人の子どもをピアノの生徒として入会させるのは避けたほうが無難」という声も当然あります。
友人関係に「月謝」というお金が絡んでくるからです。
でも私は、できる範囲で引き受けてきました。
色々と繊細な注意が必要ですが、幸いなことに大きなトラブルもなく乗り切ってきました。
上の「子どもの友達」の項にも共通しますが、教室への入会後は、完全に1人の生徒として他の生徒たちと同じように扱うことが重要です。
学校のクラス役員・PTA役員を引き受ける
「うわあああ〜」という声が聞こえてきそうな(笑)。
今は多くの保護者(お母さん)も働いているので、PTAなどのクラス委員や役員のなり手がなかなかいない学校は多いのではないでしょうか。
毎年4月の保護者懇談会ではクラスの委員・役員を決めねばならず、でも手を挙げる人はほぼゼロ。
し〜〜んと静まり返る教室、下を向く母たち。懐かしい光景です。
こんな時、自ら手をあげて引き受けてくれる人は後光がさして見えます。
私の提案は、積極的にこれらの「委員・役員」を引き受け、その人間関係からピアノ教室への入会につなげるというものです。
クラス役員を引き受けると、それだけで人間関係が広がります。
引き受けた委員会の業務内容によってはチームでプロジェクトを組んで動くこともあり、同じチームのメンバー同士が親しくなれることがあります。
雑談などの時に「福耳さんてピアノの先生だったのね。じゃあウチの子をお願いします」と言われてお引き受けしたことが複数回ありました。
学校の役員・委員のメンバーは元々の友人関係というわけではなく、比較的ビジネスライクなお付き合いが可能です。
3月になれば委員会は解散するので、その後は他の生徒たちと同じように扱いやすく、友人関係からの集客よりはある意味おすすめしやすいともいえます。
ただしこのケースでは、一つだけ注意しなければならないことがあります。
それは、「学校でピアノ教室のチラシや名刺を配るなどはNG」ということです。
学校というのはあくまでも公教育の場。
ピアノ教室の宣伝などに使うことはできません。
「親しくなった雑談のおりにさりげなく口頭で仕事の話をする」程度にとどめましょう。
ココがポイント
自身の子どもを介しての集客に有効なのは友人関係・ママ友・学校の役員就任。注意点あり。
まとめ
- あえてネットを利用せず、口コミなどのオフラインのみでピアノ教室の生徒募集をすることは可能
- 生徒を介した口コミを起こすには、・兄弟姉妹の入会・友人の紹介・生徒を学校行事で活躍させるのが有効
- 自身の子どもを介して口コミを起こすには、・子どもの友人関係・ママ友・学校の委員や役員を積極的に引き受けるのが有効
今この記事を書きながら、過去にあった色々な出来事を思い出しています。
ここでは色々と書いていますが、もちろん全てがうまくいったわけではありません。
失敗もしましたし、ママ友と一瞬気まずくなりかけたこともあります。
幸いバランスの取れた友人知人に恵まれ、大きなトラブルなくここまで来れたのは幸運でした。
まだお若くてお子さんの小さいあなたにとって、この記事であげた例が全てうまくいくように立ち回るのは難しいかもしれません。
でも、様々な形で生徒となってくれた子どもたちに誠心誠意向き合うことで、多くの繊細な問題も解決できるような気がします。
この記事で挙げたのは、あくまでもネットを使わない生徒募集方法の一例。
あなた自身にとって安心できる方法で、生徒募集をするためのひとつの指標として頂けたらと思っています。