個人でピアノ教室を運営していくに当たっては、教室独自の「レッスン規約」を作ることがとても大切。
レッスン規約(教室規約)とは、あなたのピアノ教室内でのルールのことです。
教室在籍者が守るべき「教室の決まり」として、様々な項目をあらかじめ設定しておきます。
新しい生徒が入会する時、あなたのピアノ教室の規約を文書として渡しておくことで、様々なトラブルを未然に防ぐことができるのです。
トラブルの原因となる非常識な保護者の例と対処方法の記事はこちら↓
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どういった項目が必要か考えてみましょう。
目次
ピアノ教室の教室規約の例
一口に教室規約といっても、各教室によってスタイルは色々。
あれこれと実に細かくルールを決めて、同意書に保護者の署名と捺印を求めるお教室から、かなり大ざっぱなところまで様々です。
ざっくりとではありますが、次のような項目を入れて作成してみてはいかがでしょう。
〇〇ピアノ教室 レッスン規約
- レッスンについて
- 月謝のお支払い方法について
- 月謝以外の諸費用について
- 退会・休会について
- その他
上の事柄について同意します。
ご署名
あくまで一案ですが、ひとつひとつみていきましょう。
ピアノレッスンについて
レッスンコース
教室によっては、レッスンのスタイルを対象者ごとに決めて「コース」として設定しているところがあります。
例として、
- 学年・年齢別コース
- グループレッスンコース
- 音大/音高受験音大コース
- ワンレッスンコース
などなど。
それぞれの定義をしっかりと記載します。
回数・時間・月謝/レッスン料の金額
年間のレッスン回数と、1回あたりのレッスン時間、それに伴う月謝の金額を記入します。↓
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また、コースごとに設定されている項目があれば書いておきます。
回数・時間・月謝の記入例
- 幼児コース(3歳〜5歳の幼稚園児対象)1回30分/年間42回/7000円
- 月額コース(小中高校生対象)1回40分より/年間44回/8000円〜
- 大人コース(大学生以上)ワンレッスン45分より/3000円〜
- 音大受験コース(ご相談に応じます)
もちろんレッスン回数や時間、金額などの数字は自由に設定してくださいね。
大切なことは、月謝の金額はわかりやすく、早めに記載することです。
また、生徒の入れ替え時間をレッスン時間に含むのかどうかを必ず記入しておきます。
クレームの対象になりやすいポイントだからです。
振替レッスンについて
以下の記事に詳しいです↓
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全部の項目を盛り込むと長くなるので、要点を絞って書いておきましょう。
なお、「振替レッスンの再振替は不可」となっている教室がほとんどです。
遅刻・欠席について
生徒がレッスンを遅刻や欠席した時の対応についての項目は必ず必要。
一例をあげます。
- レッスンを遅刻・欠席する時は事前に連絡をお願いします。
- 連絡は以下の方法でお願いします。(電話・メール・LINEなど)
- 生徒さんのご都合により遅刻された場合はレッスンの延長はできません。
- 欠席された時もレッスン回数に数えます。
- 生徒さんのご都合により欠席された場合、月謝の減額はできません。
ココがポイント
ピアノ教室の規約で一番大切なのはレッスンについての項目。月謝の金額は回数・時間と共にわかりやすく書いておく。振替、遅刻・欠席についても同
ピアノの月謝・レッスン料の支払い方法について
支払い方法
月謝の支払い方法は、今でも現金手渡しが一般的です。↓
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現在では、〇〇ペイなどのキャッシュレスで対応する教室も増えてきているようです。
月謝滞納時の対応について
入会当初から月謝を滞納されたときの扱いを知らせておくのは少々しんどいのですが、お若い先生ほどしっかりと規約に記載しておくことをおすすめします。
各教室によりますが、「◯ヶ月以上滞納された場合は退会して頂きます」との文言を入れておくケースが多いようです。
もちろん、このようなことになる前に対応する方が望ましいのは言うまでもありません。
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ココがポイント
規約には月謝の支払い方法を明記。滞納時の対応も。
ピアノの月謝以外の諸費用について
やや細かくなりますが、月謝以外にかかる諸費用として、以下のような項目を定め、規約に記載しておくと安心です。
月謝以外の諸費用とは
- 入会金
- 施設費
- 冷暖房費
- 発表会・イベント出演費用
- 楽譜など教本・教材購入費用
入会金は一回限りの費用として金額を決めます。
2000〜5000円程度の教室が多いです。
兄弟姉妹などは免除したり、割引があったりする場合もあります。
個人の自宅で開業している教室では、施設費・冷暖房費は徴収しないところがほとんどです。
発表会などの出演費用と教本購入費用が別にかかることに関しては、私は特に記さないままトラブルなくここまできました。
心配なら記載してもよいと思います。
ココがポイント
月謝以外の諸費用について記しておけば安心
ピアノ教室休会・退会規定
休会は一時的にレッスンをある程度の長期にわたってお休みすること。
退会は、ピアノ教室をやめることです。
いずれも、月謝の扱いが焦点となります。
私は以下のように定めています。
休会・退会規定
- 休会を希望する場合は前月末までお申し出下さい
- 休会中は在籍費として1ヶ月あたり1000円を申し受けます。
- 教室を退会される場合は、退会月の10日までにお申し出下さい。
- 月途中で退会されましても月謝の返金は致しかねます。
この項目も、新規入会者に渡す書類には書きにくいですが、一番モメやすい部分なのでしっかり設定しておきましょう。
また、さらにこんな項目を設けている教室もあります。
注意
- 教室の規則に従って頂けない時は退会して頂きます。
- 無断で◯回以上レッスンを欠席された場合は退会して頂きます。
- 講師がレッスン不能と判断した場合は退会して頂きます。
- ご自宅での練習が不十分な場合には退会して頂きます。
しょっちゅうというわけではありませんが、一部の生徒の中にはとてもレッスンが成立しないような言動をとる子ども(保護者)がいます。
暴れたり、モノを投げたり、講師に暴言を吐く、などです。
そのようなケースを想定するなら、こういった文言を入れておくのは賢明かもしれません。
ココがポイント
休会・退会規定はしっかり定めておく。レッスン不能な生徒への対応として講師側から退会を要求することもあり得る
ピアノ教室規約・その他の項目
その他、以下のような項目を記載しておくこともあります。
メモ
- 教室備品の扱いについて
- ピアノの練習について
- 自宅用楽器の用意について
- 爪やアクセサリーなどについて
教室備品の扱い
例えば生徒が教室備品を破損した時にどのように対処するかを記したものです。
「故意に破損された場合は弁済して頂きます」としている教室はいくつかあります。
私はまだ備品を壊されたことがないので規約に入れていませんが、心配ならば記しておくのはアリです。
練習について
「毎日きちんとピアノを練習するように」とクギを刺す文言です。
入れている教室は割と多い印象。
熱心な生徒さんが多いのかもしれません。
自宅用楽器
生徒が自宅で練習する楽器の用意を約束させるものです。
これは、入れておくと安心。
「入会後◯ヶ月以内にピアノもしくは電子ピアノを購入すること(キーボード不可)」などと書いておけば、「自宅用の楽器がないから練習できない」生徒の在籍を許さない根拠になります。
爪の長さと腕時計やアクセサリー
「爪を短く切っておくように」とわざわざ教室規約に書く理由は、長い爪でピアノを弾くのが危険だからです。
爪が鍵盤の間に入ってしまい、最悪の場合ケガをします。
また、腕時計やブレスレットなどの腕にはめるアクセサリーを外してもらう必要があるので、紛失防止などのためにも規約に書いておくようにしています。
ココがポイント
その他・教室備品の扱い・毎日のピアノ練習について・自宅用楽器の用意・爪の長さとアクセサリーについての文言を入れておくと安心
まとめ
- 個人でピアノ教室を運営するなら必ず教室規約を作成する
- レッスンの回数・時間・月謝・振替・遅刻についてわかりやすく書く
- 月謝の支払い方法と月謝以外の諸費用についての項目を設ける
- 休会・退会規定を設ける
- 最初からあまり細かく設定せず、徐々に書き足していくとよい
ある程度の期間ピアノ教室を運営していると、教室規約もだんだんと長くなる傾向にあります。
あれもこれもと規約に盛り込んでいくと、とてもA4の紙一枚では収まりきらず、長〜いルールブックが出来上がることに。
私は、入会しようとしている新しい生徒をいたずらに緊張させることもないと思い、できるだけ細かい項目は省いて同意書なども頂かないことにしています。
それでもここのところ大きなトラブルはありません。
大事なのは、教室規約を作ることそのものではなく、生徒たちと真剣に向き合い、問題があればひとつひとつ解決していく気構えなのです。
教室規約にどんな項目を入れるかはそれぞれの教室の先生方によって少しずつ違います。
それでも一つ共通するのは、生徒とより良い関係を築くべく、先生方が頭を絞って考えた大切な思いが詰まっているということ。
そして、あなたの教室のレッスン規約はあなたが決めてよいのです。
これからピアノ講師として働いていきながら、色々と工夫してみて下さい。
この記事がそんなあなたの参考になれば嬉しいです。
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