ピアノの先生の卵であるあなたにとって、音大卒業後に新しく始まるピアノ講師としての毎日は、期待半分、不安も半分というところでしょうか。
今も、アルバイト感覚で近所の子どもたちにピアノを手ほどきしているあなた。
もしかして、卒業してもそれほど大きな環境の変化はないとのではと感じているかもしれません。
でも、学生のアルバイトとしてのピアノの先生と、職業としてのピアノ講師とは、実はかなり違うんです。
今日は、これからプロのピアノ講師として出発するあなたへ、大切なお話をしますね。
ちょっと耳を傾けてみて下さい。
目次
ピアノの先生とはどんなもの?
ピアノの先生の仕事内容は?
ピアノの先生=ピアノ講師の仕事とは。
まず第一に、ピアノを習いたい、弾けるようになりたい人にピアノの演奏の仕方を教え、弾けるように指導するのが重要な仕事です。
仕事場は自宅であったり、音楽教室内などの指定された教室である場合もあります。
たいていは、生徒1人ずつ、一対一で指導します。
ピアノの練習の仕方や上達の過程にはとても個人差があるので個人レッスンが合理的。
生徒の演奏をよく観察して、練習の仕方、より良い弾き方などを詳しく教えていく必要があります。
また、生徒の年齢や性格、性別によって同じことを教えるのにも言い方や言葉の使い方を変えなければなりません。
例えば、まったくの初心者に一からピアノの弾き方を教えることを想定してみて下さい。
- その初心者が幼稚園に上がる前の小さなお子さんなのか、幼稚園の年長さんなのか、小学生なのか。
- 男の子なのか女の子なのか。
- おとなしい子なのか、活発な子なのか。
- 文字が読めるか、まだ読めないのか。
- 保護者の協力が得られそうか、あるいは特に関心を示さないタイプの保護者か。
同じ初心者と言うくくりであっても、全然違いますよね。
良いピアノの先生になるためには、「自分にとって教えやすいやり方」をしているだけではうまくいきません。
生徒をよく見て、一人ひとりに合った言葉の使い方、選び方を考えて指導する必要があります
ココがポイント
まずは生徒一人ひとりをよく見て、彼らのピアノをよく聴いて、少しでも上達できるように導いてあげて下さい。
ピアノを教えること以外にどんな仕事があるの?
生徒募集
主に自宅でピアノの個人レッスンをすることを想定しているなら、まず重要なのは生徒を集めることです。
あなたがピアノを習い始めた時と違って、今はピアノの先生の人数がとても多いです。
特に首都圏では、ピアノを習いたい生徒の数に比べて教えたい先生が多く、正直ピアノの先生は余っているといってもいいくらい。
子どもの数は減っているし、習い事はピアノだけではないので、放っておいても生徒がピアノを習いに来てくれる状況ではありません。
生徒がいなければピアノ教室は成り立ちません。
ピアノ教室運営の第一歩は、まずは生徒集めから始まります。
生徒集めに有効だった方法、いまいちだったやり方などもお伝えしていきたいと思います。
教室運営
また、指導方針や教室のルールをある程度決めておく必要があります。
それを文書として残しておいて、全ての生徒たちに公平、公正に接するための資料として下さい。
ピアノ講師という仕事を選んだあなたは、これから様々な経験をすることになります。
そんな時に揺らがないご自身の「軸」を持つことはとても大切。
それは「教室理念」と呼ばれるものです。
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ピアノ教室運営を成功に導く「コンセプト(教室理念)」構築のすすめ
私が最初のピアノの生徒を教え始めてから40年近くが経ちました。 多くの仕事と同じように、この間実に色々なことありました。 悩んだり傷付いたり、もうこの仕事を辞めて教室を閉じてしまおうかと思ったり。 & ...
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ピアノ発表会やイベントの開催
発表会やクリスマス会などのイベントを開くことはとても大切な仕事のひとつ。
ピアノの演奏というのはもともと人に聴いてもらうためのもの。
生徒が何人か集まったら、ぜひ発表会を企画しましょう。
人数が少ないなら自宅でのおさらい会などでも大丈夫。
生徒たちの励みになりますし、頑張って練習することで大いに上達が見込めます。
発表会を開くためには、必要な事務作業や施設側との打ち合わせなど、やるべきことが数多くあります。
そういったことも全てピアノの先生の仕事になります。
いずれ詳しくまとめたいと考えています。
ピアノの先生の仕事って儲かるの?
ピアノ講師は果たして儲かる仕事かどうか。
これは実に難しい質問です。
すごく儲かるよ!と胸をはって言えればいいんですがそうもいきません(笑)。
ピアノ講師は、ピアノを教えることでレッスン料を頂きます。
多くは「月謝」という形で、毎月決まった金額を受け取ることになります。
生徒の数が多ければ頂ける月謝も多くなるので、生徒の多いピアノの先生は儲かっているのかもしれません。
でも生徒が減ればたちどころに収入も減ります。
完全歩合制の仕事といえます。
また、頂いた月謝全てが手取り収入になるわけではありません。
仕事をしていく上で必要な出費が当然あります。
例えば、新しく発売された色々なピアノ教本をじっくり研究するために購入したり、指導法の勉強をするための勉強会に参加したりすると、その費用がかかります。
自分自身もピアノの先生について勉強しているなら、そのレッスン料が必要です。
また、ピアノのメンテナンス費用は毎年必要です。
そういった、必要な費用を支払った上で手元に残ったお金がピアノ講師の収入というわけです。
「儲かるピアノの先生」になるためには、これらの支出を上回るレッスン料を稼ぎだす必要があるということ。
全てはあなたの腕次第、あなたの頑張りにかかっているというワケです。
私自身はそれほど儲かりまくっているワケではありませんが、おかげさまで40年近くに渡って黒字のピアノ教室を運営することができています。
このブログを書くことで、あなたが満足のいく収入を得られるようにお手伝いができればと思っています。
ピアノの先生のやりがいとは?
ピアノ講師の仕事は、単にピアノを教えるだけでなく、結構色々と準備や気を配る必要があって戸惑うかもしれません。
大変な部分もありますが、大いにやりがいのある仕事です。
ピアノの先生のやりがいとは。
ちょっとあげてみますね。
- ピアノを弾けなかった人に、新しくピアノを弾く力を与えることができる
- 生徒(多くは子ども)が成長するのを長く見守ることができる
- ピアノ愛好家という仲間を増やすことができる
生徒は一人ひとり違います。
その個性や感性を見極めながら、ピアノ講師はその人に合ったやり方でピアノの弾き方を指導していきます。
そして、やがてはこの演奏困難な楽器を弾きこなす能力を彼らに与えることができる。
私たちは、人を「ピアノが弾ける人生」という、新しい世界への入り口に導く案内人なのです。
そう考えるだけでワクワクしてきませんか?
これこそが、ピアノ講師の仕事のやりがいのうち、最も大きな部分と感じています。
あなただって必ずできます!
仕事を始めてすぐに、すべてきちんとできなくてはならない!なんてことはありません。
どんな仕事でもそうですが、最初は誰でも見習いです。
仕事を始めてすぐにベテランのように働けるわけではありません。
ひとつひとつ、目の前の課題をクリアしていけばOK。
大切なのはコミュニケーションです。
生徒がまだ幼い場合は、本人はもちろんですが保護者の方々となるべくよくお話をすることをおすすめします。
そうすることでお互いに対する理解が深まり、レッスンがやりやすくなります。
先生であるあなたが一方的にしゃべるのではなく、保護者と話すことで彼らの悩みをとらえ、生徒を手助けすることが重要です。
教えることは、コミュニケーションをしっかりとるということ。
ぜひこのことを覚えておいて下さいね。
ピアノの先生の仕事内容とやりがい・まとめ
- ピアノ講師の主な仕事は、ピアノを習いたい人にピアノの弾き方を教えること
- 他にも生徒募集、教室運営、事務作業、イベント開催など様々なタスクをこなすマルチプレイヤー
- ピアノ講師の収入は生徒の数によって決まる完全歩合制
- 支出は必要経費
- ピアノ講師のやりがいのひとつは、子どもが大人になっていく姿をピアノを通して見守れること
- ピアノ愛好家の仲間を増やせること
- ピアノ講師のやりがいの中で最も大きいものは、ピアノを弾けない人に弾ける人生へと案内できること
ピアノを深く愛するあなたにとって、ピアノ講師ほどふさわしい仕事はありません。
これから始まるあなたのピアノ講師としての人生が、充実したものであることを確信しています。
私もまだまだ現役。
一緒に頑張っていこうではありませんか!