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ピアノの先生になるには

ピアノ初心者を対象に教える時の演奏力はどれくらい?他に必要なスキルは?

電子ピアノの鍵盤と音楽記号
ピアノの初心者を対象として教える教室を開きたいと思います。どれくらい弾ければ人に教えられるようになりますか?
福耳
初心者といっても色々な人がいますので、一言で答えるのはなかなか難しいんですが大体の目安についてお話ししますね。

得意だったピアノの腕を活かして、初心者にピアノを教えてみたいと考える主婦や社会人の方が増えています。

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ピアノの初心者を教える時に必要とされる先生自身のピアノ演奏力と、その他に必要なスキルについて考えてみました。

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「ピアノの初心者」の範囲とは?

アップライトピアノ

 

そもそも、「ピアノの初心者」とはどんな人々のことでしょうか。

ピアノを習い始めたばかりでまだ慣れていない人のことでは?
福耳
それが、そうともいえないんです。

初心者とは、普通、習い事を始めて間もない人のことを指します。

テニスだったら「ラケットの握り方」とか、英語ならまずはアルファベットの勉強、といった感じですね。

福耳
ピアノの場合、このようにまったく始めてピアノを学ぶ人のことを「導入」という言葉で表します

「初心者」だと、「生まれて初めてピアノの前に座る人」というよりも「少し慣れてきて、とりあえず両手で教本の曲を弾ける人」のようなイメージ。

小さな幼児や高齢者では、まず両手で弾けるようになるまでに少し時間がかかることが多いです。

ピアノは演奏の難しい楽器なので、このように細かくレベルを分けて考えることになっているのかもしれません。

「初心者」の幅が広めだってことかしら。
福耳
そんな感じですね。

以下のようにイメージして下さい。

ピアノ未経験者
  • ピアノ・電子ピアノにさわったことがない
  • 鍵盤楽器は鍵盤ハーモニカしか演奏したことがない
導入
  • まだ譜面が読めない
  • 片手でしか弾けない
  • 両手でメロディのみの曲を弾ける
  • ,簡単な曲が両手で弾ける(「バイエル」上巻、「オルガン・ピアノの本」①②終了程度)
福耳
ここまでは間違いなく初心者。さらに、このうえの初級レベルまで含めることもあり得ます。
初級
  • 「バイエル」下巻、「オルガン・ピアノの本③④」終了程度
  • ダンパーペダルが使えるようになる
  • 発表会で弾ける曲が増えてくる
ここまで来るとけっこう難しい曲も弾けるようになりますよね。
福耳
ピアノ未経験で入会した生徒もだんだんと上達していくので、これくらいのレベルの人を教える力があれば安心ですね。

ココがポイント

「ピアノ初心者」とは、ピアノ未経験者・導入レベル・初級レベルまでの学習者の総称と考える

初心者にピアノを教える時に必要な演奏力

ピアノを弾く両手

 

ピアノを教えるのに資格は必要?

あなたがピアノを教えたいと思ったら、必要な演奏力とスキルがあればピアノ教室を開くことに問題はありません

ピアノ講師になるための要件
  • 音楽大学・短期大学、音楽の専門学校を卒業する必要なし
  • 教育大学・学部などが発行した免状など必要なし
  • 国家資格、民間の資格試験などもなし
ハードルが低い感じがしますね
福耳
その通りなんですが、ピアノが弾ければ誰にでも簡単に教えられるというものでもないんです。

10年間のピアノ先行学習が必要

ピアノに限らず物事を人にわかりやすく教えるには、実力が「かなり上」でないと困ったことになります。

あまりにも力がかけ離れていても考えものですが、同レベルでは「先生」はできません。

では、生徒よりも実力がどれくらい優っていれば教えることができるでしょうか。

福耳
以前趣味でフラ(ダンス)を習っていたことがあり、全くの初歩から始めて10年でインストラクターの資格が取れました。

10年というのはわかりやすい時間です。

楽器や踊りなどの身体を使った習い事については、人に教えられるようになるのに10年かかるというのが自分の体験も含めた実感です。

 

さらにピアノは手先を使うので、フラのような踊りよりもハードルは高いと感じます。

ピアノを人に教えるには最低10年分の先行学習が必要」というのは、かなり的を得た基準なのではないでしょうか。

ココがポイント

ピアノを人に教えられるほどの実力を養うのに約10年かかる

「ツェルニー30番練習曲」終了が一つの目安

10年ピアノを学んだといっても、1日30分以下とか週に3〜4日しか弾かなかったというのではちょっとムリ。

全体をならして、1日あたり毎日1〜2時間の練習で10年頑張れば、かなりのレベルに達することができます。

1日1時間と2時間ではかなり違ってきますよね。
福耳
成長する時期は人によって色々なので、一定のレベルに達するまでにかかる時間はまちまちです。

コンスタントに1日1時間ずつ練習して10年経てば、順調であれば「ツェルニー30番練習曲」「ソナチネアルバム1」を終えることができます。

人によってはショパンの一部のワルツやノクターン(夜想曲)などを弾けるようになるでしょう。

同じレベルに達するのに1日2時間の練習が必要な方もいれば、もっと少なくても大丈夫な人もいると思います。

 

「ツェルニー30番」の最後のほうはそこそこ難しく、きちんと終わらせるのはそれほど楽チンではありません。

「バイエル」「オルガン・ピアノの本」など、初級者レベルの教本を弾いているピアノ初心者を教えるのに必要なレベルとして、「ツェルニー30番終了」は一つの目安となります。

福耳
でも、その上のブルグミュラーなど初中級レベルの人を教えるのはちょっと大変だと思います。
生徒が上手になって手に負えなくなったら、どなたか別の先生にお願いする必要があるかもしれませんね。

ココがポイント

ピアノの初心者を教えるにはツェルニー30番練習曲終了が一つの目安

ピアノの演奏力のほかに必要なスキルは?

ピアノを弾く幼児

 

福耳
ピアノを教える時に必要な能力は演奏力だけではありません。

特に初心者を教える時に必要なスキルや注意事項をあげてみました。

簡単な言葉でわかりやすく説明する力

初心者たちはピアノについてほとんど何も知りません

私たち教える者にとっては当然のことも、彼らにとっては未知の領域。

左手の小指は①ではなくて⑤の指だとか、曲の最初に縦に並んでいる分数みたいな数字(3/4などの拍子記号)は何かとか、全てがわからないことの連続です。

1度や2度説明したくらいで覚えてくれることはありませんし、音楽用語なども知りません。

専門用語や音楽用語は使わずに、できるだけ簡単な言葉で説明するのはかえって難しいもの

わかりやすく何度も話してあげましょう。

生徒をよく観察する力

初心者を教える時に一番気をつけなければならないのが姿勢

彼らはまだ「型」ができていないので、すぐに姿勢が崩れます。

日頃から観察眼を養っておく必要があります。

生徒から情報を引き出すコミュニケーション力

特に生徒が小さな子どもたちの場合、うまく自分の気持ちを伝えることができません。

ピアノのレッスンを受けていて、よくわからない時やうまくいかない時、彼らは「なんかヤだ」程度のことしか伝えてくれません。

なので、講師は何が「イヤ」なのかを探り出し、問題を解決に導いてあげることが必要です。

そのためには保護者とのコミュニケーションが欠かせません。

生徒が幼いほど、この「情報を引き出すためのコミュニケーション能力」が試されます

ココがポイント

初心者にピアノを教えるにはピアノ演奏力以外のスキルも重要

演奏以外に必要なスキル

  • 簡単な言葉でわかりやすく説明する力
  • 生徒をよく観察する力
  • 生徒から情報を引き出すコミュニケーション力

初心者にピアノを教える時に必要な演奏力とスキルとは?まとめ

連弾をする4本の手

 

  • 「ピアノ初心者」とは、ピアノ未経験者・導入レベル・初級レベルまでの学習者の総称と考える
  • ピアノを初心者に教えられるようになるには約10年かかる
  • 10年間先行して学習することで、「ツェルニー30番練習曲集」を終了するレベルの演奏力を得ることが可能
  • 「バイエル」終了程度の初心者ならこのくらいの演奏力でOK
  • 生徒がさらに上達して「ブルグミュラー25番練習曲集」などの初中級レベルに達したら、上のレベルの先生に生徒を紹介すると良い
  • 初心者を教えるための演奏力以外のスキルは「説明力」「観察力」「コミュニケーション力」
こうしてみると、ピアノの初心者を教えるってけっこう大変なんですね
福耳
初心者を教えるのがある意味一番難しいんじゃないかと思いますよ。

私はまったくの初心者を教える時、今でも少し緊張します。

これから始まるこの人のピアノとの関わりが、私の教え方次第で変わってくるかもしれないと思うからです。

でも、この「やりがい」こそが初心者を教えることの楽しさでもあるのです。

 

あなたが初心者を中心に教えたいのなら、ピアノの他にも学ぶことはたくさんあります。

ピアノ愛好者を1人でも増やせるよう、色々工夫してみようではありませんか。

あなたの先生デビューを心からお待ちしていますね。

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福耳

ピアノ教師歴約40年。 東京都西部のとある音楽大学卒業後、いわゆる「街のピアノの先生」として活動してきました。 ごく普通の子供たちにピアノという楽器の素晴らしさを伝え、音楽を生涯の友として過ごすためのお手伝いをするのが目標です。

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