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ピアノの先生になるには

ピアノの先生になるための近道は音大を目指すこと!何を勉強するの?入試レベルは?

蓋の開いたグランドピアノ

ピアノがとても上手な10代の子どもたちが増えてきました。

もしもあなたが、

  • ピアノが得意で、人前で演奏を披露するのが大好き。
  • 弾いていると楽しくて、練習もそれほど苦にならない。
  • 一生ピアノと関わっていたい。
  • できれば将来はピアノの先生になって、自分も演奏活動をしながら後輩たちを育てる仕事がしたい。

ピアノについてこんなふうに思っているなら、ぜひとも音楽大学のピアノ科を目指して勉強することをおすすめします。

ふーん。音大って楽しいの?
福耳
もちろんですとも!

ピアノが「三度のメシより好きな」あなたのような人こそ入るべき大学です。

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音大ピアノ科では何を勉強するの?

グランドピアノの内部

 

音大(音楽大学)とは、具体的に何を勉強する大学なのでしょうか。

音楽に決まってるじゃないですか
福耳
そりゃそうなんだけど‥

ただ、一口に「音楽を学ぶ」といっても、実に様々な角度から勉強する必要があるんです。

 

各音楽大学のホームページを参考に、一例を挙げてみましょう。

専攻実技

音大の授業で最も重要なのは「専攻実技」です

ピアノ科ならピアノ、ヴァイオリン科ならヴァイオリンというように、専攻楽器の演奏法を担当の先生から個別に学びます

最も重要視される科目で、学期末には実技試験が行われます。

年に数回、先生方の前で一人ひとり課題曲を演奏します。

教養科目

座学については、教養科目から音楽大学独自のカリキュラムに沿って学んでいきます。

他大学にもあるような一般教養科目の他に、次のような科目を履修していきます。

  • 音楽学
  • 西洋音楽史、鍵盤音楽史
  • 音楽文化論
  • 音楽美学
  • 民族音楽学
  • 楽器学

などなど。各大学によりバラエティに富んでいます。

外国語

英語は間違い無く必須。

その他、第二外国語の履修が必要です。

一般大学とやや違うのは、中国語や韓国語よりドイツ語、フランス語、イタリア語のようなヨーロッパ圏の言語を学ぶことが推奨されることです。

専門科目

少人数のゼミ形式でみっちり勉強します。

  • 音楽理論(和声学)
  • 聴音、ソルフェージュ(新曲視唱、視奏など)
  • 合唱
  • 伴奏法
  • 指揮法

‥これもたくさんの種類があります。

 

特に音楽理論は、楽曲の構造を理論的に学ぶ学問で、理系っぽい頭の使い方が必要。

作曲の技法にもつながる大切な勉強です。

学生時代、私はコレが苦手で逃げ回っていたんですが、もっとマジメにやっておけばよかったなあと今はちょっぴり後悔しています。

 

大変そうだけど面白そうなのもあるね!指揮法とかやってみたいな
福耳
はい、他にも興味深い科目はたくさんありますよ!

各大学のホームページで確認してみて下さい。

首都圏の主な音楽大学

ピアノの鍵盤

 

というわけで、首都圏に位置する、ピアノ科を持つ主な音楽大学のリンクをご案内します。

東京藝術大学のみ国立大学で、他は私立大学です。

 

国立音楽大学

https://www.kunitachi.ac.jp/index.html

昭和音楽大学

https://www.tosei-showa-music.ac.jp

洗足学園音楽大学

https://www.senzoku.ac.jp/music/

東京音楽大学

https://www.tokyo-ondai.ac.jp

東京藝術大学

https://www.geidai.ac.jp

桐朋学園大学

https://www.tohomusic.ac.jp/college/

日本大学芸術学部音楽学科

http://music.art.nihon-u.ac.jp

武蔵野音楽大学

http://www.musashino-music.ac.jp

(あいうえお順)

 

各大学はそれぞれ独自のカリキュラムを持っていて、学校理念に沿った教育を行っています。

参考になれば幸いです。

音大ピアノ科に合格するために必要な演奏力とは?

ベートーヴェンの胸像

音大の入試課題曲とは

 

日本の音楽大学の入試課題曲はどこも割と似ています。

国立音楽大学を例にとってご説明します。

 

ピアノを専攻する受験生は、実技試験では以下の3つの課題曲を演奏します。

国立音楽大学入試課題曲

  1. バッハ(Bach, J. S.) 平均律クラヴィーア曲集 第1巻,第2巻より任意の1曲 (プレリュードとフーガ)
  2. ショパン(Chopin, F.) エチュード op.10,op.25より任意の1曲 (op.10 No.6、op.25 No.7を除く
  3. 次の(A)または(B)いずれかを選択。

(A)ベートーヴェン(Beethoven, L. v.)ソナタより op.2 No.1 からop.90 までの第1楽章 (以下の6曲を除く

op.26   op.27 No.1   op.27 No.2   op.49 No.1   op.49 No.2   op.79

B)自由曲 下記の作曲家の作品から任意の楽曲を選び,6 分以上演奏する。 複数の作曲家,および複数の楽曲の組み合わせも可。

楽章の抜粋も可とする。 ただし,ショパンはエチュードを除く。

ハイドン(Haydn, J.),モーツァルト(Mozart, W. A.),シューベルト(Schubert, F.), メンデルスゾーン(Mendelssohn, F.),ショパン(Chopin, F.), シューマン(Schumann, R.),リスト(Liszt, F.),ブラームス(Brahms, J.), ドビュッシー(Debussy, C.),ラヴェル(Ravel, M.),ラフマニノフ(Rachmaninoff, S.), プロコフィエフ(Prokofieff, S.),バルトーク(Bartók, B.)

ひとつひとつ見ていきましょう。

J.S.バッハ/「平均律クラヴィーア曲集」

J.S.バッハの鍵盤楽器用の作品の中でも「平均律クラヴィーア曲集」は上級者向き。

中級者向きの曲集、2声の「インヴェンション」15曲と、3声の「シンフォニア」15曲が終わってから学ぶことになります。

プレリュード(前奏曲)とフーガ(遁走曲)の組み合わせでできていて、国立音大の入試では両方弾く必要があります。

 

J.S.バッハのようなバロック音楽は多声音楽。

複雑に絡み合うテーマを弾き分ける技術と耳が必要です。

バッハの音楽は建築物にたとえられます。

曲を分析する理系頭も必要になります。

ショパン/エチュード

ご存知ショパンのエチュード(練習曲)。

多くの音大の入試で課題曲として課されます。

除外された2曲はテンポが遅く、入試の曲としては差がつかないため。

 

アニメ「ピアノの森」のオープニングで、オーケストラとの共演曲に編曲されていたop.10-No.1を聴いた人は多いのではないでしょうか。

福耳
音大受験レベルならあんな風に弾けなくても大丈夫。

ショパンのエチュードは全部で24曲あって、(3つの小練習曲を除く)どれも難しいですが中には比較的弾きやすいものもあります。

ご自分の得意なテクニックの曲を選べば勝機はあります

(A)ベートーヴェン/ソナタまたは(B)自由曲

(A)、(B)どちらかを選んで演奏します。

(A)で除外された6曲は、比較的易しい曲と「月光」ソナタの1楽章。

やはり差がつかないためでしょう。

福耳

ベートーヴェンのソナタは全部で32曲。

そこから6曲を除いた26曲が候補となります。

比較的取り組みやすい前期の作品なら負担は少なくて済みます。

が、難しい中期後期の作品に挑戦するとその分の考慮があるかもしれません。

この辺りはご自分の先生とよく相談されると良いと思います。

(B)を選んで自由なプログラムを組むのもアリですね。

ココがポイント

音大の入試に必要なピアノの演奏力は、上記3種類の課題曲を弾きこなす技術と表現力、集中力です。

バッハで4〜5分、ショパンエチュード約3分。

ベートーヴェンまたは自由曲で6分以上。

全部で15分程度のプログラムとなり、正直かなり大変ではあります。

専攻楽器の実技試験以外の入試科目

この他の入学試験科目は以下のようなものです。

  • 聴音
  • ソルフェージュ(新曲視唱)
  • 楽典
  • 初見演奏
  • 外国語

特に「聴音」は、初めて聴くメロディや和音の書き取りテストです。

独学では必要なレベルに達するのは難しく、特別な練習が必要です。

ピアノの先生になりたいなら音大をめざそう!何を勉強するの?入試レベルは?まとめ

 

ピアノの鍵盤上の楽譜と花

  • 音大ピアノ科では、専門実技とともに教養科目、専門科目などの形で、西洋音楽について多角的に勉強することができる
  • 音大は独自のカリキュラムを持ち、学校理念に沿った教育をしている
  • 音大ピアノ科の入試に合格するために必要な演奏力は、J.S.バッハ、ショパンエチュードを含めて15分内外のプログラムを弾きこなすレベル
  • その他、聴音・ソルフェージュ・楽典などの勉強が必要
ピアノをみっちり勉強して、将来ピアノの先生として活躍したいならうってつけってことだね!
福耳
その通り!

 

「音楽大学ピアノ科卒業」という学歴は、生徒募集をする時に有利に働きます。

一定以上のピアノの演奏力や楽典などの知識が備わっていることをしっかりアピールできるのはやはり強み。

特に、子どもにクラシックピアノを習わせたいと考える保護者にとっては、まだまだ学歴は重要なファクターです。

 

ピアノが大好きで、将来演奏活動などをしつつピアノを教えたいと考えているあなたなら、決して後悔しない進路になること請け合いです。

ハードルは低くはありませんが、ぜひトライしてしてみて下さいね。

お待ちしています!

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福耳

ピアノ教師歴約40年。 東京都西部のとある音楽大学卒業後、いわゆる「街のピアノの先生」として活動してきました。 ごく普通の子供たちにピアノという楽器の素晴らしさを伝え、音楽を生涯の友として過ごすためのお手伝いをするのが目標です。

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