もしもあなたがピアノの先生を目指すなら、まずは音大のピアノ科で学ぶのが一番確実です。
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ピアノの先生になるための近道は音大を目指すこと!何を勉強するの?入試レベルは?
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実は、ピアノ講師という仕事をするには、特別な国家資格などは必要ありません。
音大を卒業しなくてもピアノの先生になるための方法をご紹介しますね。
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ピアノの先生になるにはどうすれば良いでしょうか
はじめまして、福耳と申します。 思うところあってこのブログを立ち上げました。 このブログのコンセプトはこちらです↓ このブログについて 福耳のプロフィールはこちら↓ プロフィール 縁あってこのブログを ...
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目次
大学の教育学部からピアノ講師をめざす
国公立大学教育学部音楽科をピアノで受験する
大学の教育学部音楽科は、音楽の教師になるための学部です。
特に国公立大学には、教育学部で音楽が学べる大学が数多くあります。
東京学芸大学
https://www.u-gakugei.ac.jp/03gakubu/
千葉大学教育学部
https://www.education.chiba-u.jp
横浜国立大学教育学部
埼玉大学教育学部
http://www.saitama-u.ac.jp/edu/
茨城大学教育学部
など。
その他、地方の国公立大学にも音楽教育が学べる大学は多くあります。
これらの大学では、ピアノやヴァイオリンなどの楽器の演奏法を中心に学ぶ音大とは違って、「教える」ことにフォーカスした勉強をしていきます。
学校教育系では、教師とは何か、教職とは何かについて理解し、教師としての心構えを準備する「教職入門」や、 教育心理について学ぶ科目、子どもを取り巻く「こころ」の問題に対応するための知識の獲得やカウンセリングマインドの育成をめざす「教育相談の理論と方法」、大学での教職についての学びの集大成として、4年間を振り返り、教師として働くための最後の準備を行う「教職実践演習」などを学びます。
(学芸大学教育学部ホームページより)
学芸大学をはじめとする国公立大学の教育学部は、もともと小中高等学校の教員を養成する目的で設立された教育機関。
「演奏」ではなく「教育」のプロを育てる大学といえるでしょう。
その分、ピアノなどの楽器演奏にかける時間は少なくなる傾向。
将来学校の先生ではなくピアノの先生として働きたいのであれば、自分から積極的にピアノの演奏を学ぶ姿勢が大切です。
私立大学音楽学部教育学科
私立の大学にも、教育学部で音楽を専攻できる大学は複数あります。
首都圏では以下のような大学で学ぶことができます。
国立音楽大学音楽学部音楽文化教育学科
https://www.kunitachi.ac.jp/undergraduate/college/cul_edu/index.html
玉川大学芸術学部芸術教育学科
東海大学教養学部芸術学科
https://www.u-tokai.ac.jp/academics/undergraduate/humanities_and_culture/
文教大学教育学部
https://www.bunkyo.ac.jp/faculty/education/
音楽大学のピアノ科と違い、各大学の教育学部の受験科目や入試課題曲は実にバラエティに富んでいます。
専攻楽器を深く学ぶ音大と違って、教育学部で学ぶ「教育」という概念がとても幅広いからでしょう。
「教える」ことを集中して勉強できますが、やはり楽器の演奏を専門的に勉強する時間は短くなりがち。
ただそのぶん、学費の面では音大ピアノ科よりも少しリーズナブルになる傾向にあるようです。
ココがポイント
音楽の専門学校でピアノを学ぶ
もう少しハードルの低い方法ってないの?
音楽を専門的に学ぶことのできる専門学校は全国にたくさんあります。
教育期間は1〜4年で、一定条件を満たした専門学校を卒業すると「専門士」の称号が得られます。
音楽大学と音楽の専門学校の違いとは。
音楽大学での勉強
- 学問としての音楽の勉強
- 専攻科目だけでなく他の教科や外国語なども幅広く学ぶ必要あり
- 理論的・学術的に深く学ぶ
- 入試では専攻楽器の演奏のほか、学科、聴音、楽典などの特別な勉強が必要
音楽の専門学校での勉強
- 社会に出てすぐに役立つ即戦力を養う
- 授業時間の多くが専門教育
- ジャズやポップス、作曲などを学ぶコースが多い
- 各学校により入学要件は色々。ほとんど無試験の学校もあり
音楽を学べる専門学校はとても数が多いです。
しっかりとした教育を授けてくれる学校から無認可の学校まで、まさに「玉石混交」といった雰囲気。
クラシックピアノの先生になることを目指して専門学校に進学するなら、色々な角度からよく調べて入学することをオススメします。
入学のハードルが低いだけに、「ピアノ講師」の経歴としてはどちらかというと不利だからです。
卒業後にピアノの先生を目指すなら、かなり意識的にピアノ演奏を勉強していく必要があるでしょう。
自身の演奏力やピアノ講師としての力量を発信するためにYouTubeなどを利用するのも良いと思います。
ココがポイント
楽器店のピアノ講師採用試験に合格する
ヤマハ音楽教室、カワイ音楽教室などの大手の楽器店には、独自の講師採用システムがあります。
ヤマハ音楽教室講師募集
https://www.yamaha-mf.or.jp/t-audition/sys/
カワイ音楽教室講師募集
http://lecturer.kawai.jp/music/
どちらの会社も、募集要項には「音楽系の大学および短期大学卒業と同等程度の実力を有する方」という文言があります。
つまり、「音楽大学・短期大学卒業」の学歴はマストアイテムではないということ。
ただし、ヤマハ音楽教室でピアノ講師として働くには、演奏と指導において「グレード5級」以上の実力があると認められる必要があります。
ヤマハ演奏グレード5級の試験科目
- 即興演奏(a),(b)
- 初見演奏
- 楽曲演奏 課題曲1曲, 自由曲3曲
普通に音大で勉強しているだけでは、特に「即興演奏」がネックになりそう。
ヤマハやカワイなどの大手の楽器店主催の音楽教室には、会社そのものに一定のブランド力があります。
子どもにピアノを習わせたいと考える保護者が教室を選ぶ際の安心感につながってるというわけです。
それだけに楽器店ピアノ講師採用の基準は易しいものではありません。
音大を卒業せずに楽器店講師として働くことを目指すなら、自主的にかなり努力をする必要があると思われます。
ココがポイント
音大へ行かずにピアノの先生になるための方法・まとめ
音大ピアノ科を卒業する以外の方法でピアノの先生になるには、以下の進路が考えられます。
- 国公立大学教育学部音楽科を卒業する
- 私立大学音楽学部教育学科を卒業する
- 音楽の専門学校で学ぶ
- 楽器店のピアノ講師採用試験に合格する
このように、ピアノの先生になるための方法は一つではありません。
ぜひ、ご自分に合った方法でピアノの先生を目指して見てくださいね。