以下の記事で、ピアノ教室における生徒都合の振替レッスンは、一定の条件下なら取り入れるメリットが大きいというお話をしました。↓
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ピアノの振替レッスンを「する」or「しない」メリットとデメリット
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それでは、その「一定の条件」をどのように設定すればよいでしょうか。
一例として、私の教室で長年にわたり比較的うまくいっているやり方をご紹介したいと思います。
目次
生徒都合の振替ピアノレッスンが可能な条件とは?
- レッスンキャンセルの理由が、個人の都合では動かせない事由であること
- キャンセルするレッスン日まである程度の時間的猶予があること
- 回数制限
生徒が単に◯日のレッスンをお休みします、と言ってきた時は、私は理由を聞きません。
でも振替を求めてきたのなら聞きます。
ピアノレッスンは、あらかじめ◯曜日の●時と決められているものだからです。
「申し上げられません」などと言った生徒は今までいませんし、そのような場合はレッスンを振替える必要はありません。
ピアノレッスンのキャンセル理由
つまり、生徒の個人的な都合では日程を調整できない用事に限り、振替ピアノレッスンを認めるということです。
具体的には以下のようなものです。
- 学校・幼稚園行事
- 冠婚葬祭
- 仕事(大人のみ)
学校・幼稚園行事
学校行事にも色々ありますが、ここでは年間行事予定表に記載されるような「教育の一環」としての意味を持つものを想定しています。
例えば遠足や校外学習、運動会、修学旅行などの行事がこれにあたります。
日帰りの校外学習などはピアノのレッスンに間に合う時間に帰れることも多いですが、疲れていてレッスンにならないことが多いので認めています。
冠婚葬祭
冠婚葬祭は、各家庭の事情です。
保護者によっては、首都圏の住人とは違う、独特の価値観を持つ地方出身の方もいます。
この辺りは複雑な事情がからみますので、保護者が振替を求めるのならOKとしています。
仕事(大人のみ)
大人の生徒が、自らの仕事でレッスンをキャンセルしなければならない時に限り認めています。
仕事で収入が得られるからこその習い事だと思うからです。
キャンセルするピアノレッスン日までの時間的猶予
「振替レッスンの要望には時間的余裕を」という縛りによって、生徒からの野放図な要求はかなり排除できます。
「多忙中につき振替レッスンのご要望は◯日前までにお願いします」と規約に書いておけば、それほど困ったことにはならずに済むはず。
これにより、「急な歯医者の予約」「急に〇〇へ行くことになった」「急に〜だから振り替えて」といった無茶ぶりにお付き合いする必要はなくなります。
生徒と同じように、あなただって忙しいのです。
「急なレッスンの変更は無理なのだ」という事実を、冷静に淡々とお伝えしましょう。
◯日前までに、の部分は、自由に決めてよいと思います。
私は3日前程度まで許可していますが、1週間ほどの時間的猶予を求める教室もあります。
振替ピアノレッスンの回数制限
回数制限とは、生徒が振替レッスンを要望する回数に一定の制限を設けることです。
例えば、年間◯回以下、あるいは3ヶ月ごとに1回ずつ、毎月1回まで、などなど。
この回数制限こそ、振替ピアノレッスン設定のキモ。
慎重に考える必要があります。
例えば、年間44回レッスンの私の教室では毎月1回までは振替を認めていますが、それは上のように振替の可否を厳しめに制限しているから。
もっと制限を甘くして回数を少なくする手もあります。
まだお若くて、保護者との丁々発止のやり取りに慣れていないあなたなら、まずは「2〜3ヶ月に1回可能」程度から始めてみてはいかがでしょう。
条件を後から厳しくするよりも、ゆるめることの方が簡単だからです。
ココがポイント
振替ピアノレッスンの可否は・正当な理由・時間的猶予・回数制限内であるかによって判断する
振替ピアノレッスンがNGな事例は?
- 本人の病気・ケガ
- 悪天候
- 災害など
- 中高生の定期テスト
- 友達の誕生会など
- 生徒の兄弟姉妹の都合
本人のケガ・病気
病気やケガは生徒のせいではありませんが、「急なレッスンの変更」になってしまいますのでNGとなります。
本人の回復を待って、それから日程の調整をするのが困難だからです。
ただ2週間以上など長く休む場合は別で、抜けたレッスン全ては無理ですが1回はどこかで振り替えるなどの配慮をしています。
悪天候
「急な変更」でなくても、例えば「レッスン日あたりに台風が来そうだから振り替えて」などはお断りしています。
天気予報が当たるとは限りませんし、人によって「悪天候」の基準は違うからです。
災害など
2011年3月の東日本大震災の時は、地震直後のレッスンは休ませて頂きました。
滅多にあることではありませんが、やはり設定はしておく必要があります。
中高生の定期テスト
また、学校によって定期テストの時期も回数も違います。
3学期生の学校と前期後期の2期制の学校があり、不公平になってしまうのも理由のひとつです。
友達の誕生会など
これは幼児に多いケース。
保護者に懇願されたり本人に泣かれたりしたので振替を行っていた時期もありましたが、最終的にしないことに決めました。
本人以外の家族の都合
基本的に、振替レッスンは生徒本人の都合や用事の時に行うことを原則としています。
なので、「レッスン日が下の子の幼稚園行事に重なったので振替を」というのは基本的にNG。
兄弟姉妹の数の多い生徒もいますし、キリがなくなるからです。
ココがポイント
振替レッスンがNGなのは、・本人の病気とケガ・悪天候・災害・定期テスト・「お誕生会」・本人の弟妹などの都合
まとめ
- 生徒の都合による振替レッスンを要求されたら理由を聞いてよい
- その理由によって振替の可否を判断する
- 振替レッスンを行う条件の例は、・正当な理由・時間的猶予・制限回数内であること
- 振替レッスンNGの例は、・病気やケガ・悪天候・災害など・中高生の定期テスト・友達の誕生会など・本人以外の家族の都合
実は、振替ピアノレッスンを要求する生徒(保護者)は練習熱心でやる気のある方が多いです。
用事でレッスンを休まなければならないのが残念で、「なんとかなりませんか」と頼んで来られる方がほとんど。
ネットで散見されるような押しのつよい生徒(保護者)などはごく一部です。
ただ、中には熱心さと身勝手さをを履き違えて「うちの子ファースト」となり、講師の負担を顧みず無理な要求をしてくる人が存在するのも事実。
そうした時も、冷静に淡々とお話しすれば大抵は解決に向かいます。
そんな時のためにも、あらかじめ「振替レッスンのルール」をしっかりと定めておきましょう。
この記事がそのためのご参考になれば幸いです。