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ピアノ教室の悩み

【ピアノ教室】月謝に関するクレームへの対処方法|保護者とのトラブル防止と解決策

ピアノの鍵盤上の一万円札

月謝に関するクレームにはどんなものがありますか?
福耳
支払いに関する行き違いと、金額に関するものですね。

月謝に関するクレームを受けることは、幸いなことにそれほど多くありません。

「教室規約」をきちんと明示するピアノ教室が増えてきたためもありますし、お互いにお金に関するトラブルを避けたいという気持ちが働くためと思われます。

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それでも長い講師生活の間には、お月謝に関する様々なクレーム事例を見聞きすることがありました。

本記事は、そのような事例をシェアすることで、ピアノ教室の月謝に関するクレームに悩む先生方のお悩み解決につながることを願ってまとめたものです。

ご参考になれば幸いです。

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【ピアノ教室】月謝についてのクレームとは

悩む女性

福耳
ピアノ教室における月謝についてのクレームは、だいたい以下の4つに絞られる印象です。
  • 納入トラブル(『払った』『受け取っていない』の行き違い)
  • きょうだい割引要求
  • 現状維持要求(値上がり拒否)
  • 値下げ要求(他所との比較)
どれも割とシビアな事例みたいですね‥。
福耳
そのようです。お金のことが絡むので、保護者の方々も必死。真剣勝負という感じです。

ご一緒にじっくりと考えていきましょう!

月謝の納入トラブル

鍵盤と電卓

先月分のお月謝をまだ頂いていないのに、保護者は『すでに払いました』と主張しています。月謝袋がどこかへ行ってしまい、確認の方法がないんですよね。
福耳
典型的なパターンですね。

トラブル防止につとめる

福耳
まずは予防につとめるのが第一です。以下の記事に詳しいです。
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上記のリンクでご紹介した「その場で月謝袋に納入印を押し、保護者にの手元に戻す」方式により、私のピアノ教室では今までに一度も『払った』『受け取っていない』のトラブルはありません。

月謝の納入トラブルの多くは、生徒が月謝袋を紛失してしまうことから起こります。

「月謝袋は常に生徒側にある」「講師が月謝袋を預かったままでいることはない」のが常態であれば、「納入済み」との保護者の勘違いは防ぎやすいものです。

もちろん、月謝が納入されたら月謝袋への押印のほか、自分自身のノートや領収表などにその場で書き込むなどの予防策は必須です。

未納分への対処

今回のようにすでに起きてしまっているトラブルはどう対処したら良いですか?
福耳
保護者が納入済みであると強く主張するなら、残念ながら諦めるしかないでしょう。

納入済みを主張する保護者の、お財布の口をこじ開けることは不可能。未納分が1ヶ月分なら、授業料の一種と思って潔く諦めましょう

そして、今後2度と同じことが起こらないよう、当該保護者の月謝納入については細心の注意を払いましょう。

福耳
銀行振り込みでの納入をお願いするのがおすすめです。以下の記事に詳しいです。
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上記のリンクでは、月謝の銀行振り込みに関するメリットとデメリットをまとめてあります。

一度でも納入トラブルを起こした保護者については、「また間違いがあるといけないので‥」と説明し、今後は振込方式にして頂くのが一番の解決法です。

ココがポイント

月謝の納入トラブルは、月謝袋を常に生徒側に戻しておくことでほぼ防げる。未納トラブルを起こした保護者には以後月謝の銀行振り込みをお願いする。

月謝のきょうだい割引要求

連弾をする4本の腕

下のお子さんが入会希望なのはいいんだけど、『きょうだいで通うのに月謝の割引はないんですか』って言われたんですが。
福耳
『申し訳ありませんがないんです(ニッコリ)』で良いと思いますよ。

「きょうだいで通うので月謝を割引きしてほしい」という要望は、クレームというよりはご希望。

保護者は単に「割引してくれるならラッキー」という感覚で言っているだけで、「してくれなければ上の子もやめさせるぞよ」などと考えているケースは少ないものです。

きょうだいで受講することにより受講料が割引になるのは、大手の塾やスポーツジムなどでは一般的。

それを個人のピアノ教室にも当てはめて「ダメもと」で口に出しているだけで、無理な相談とわかれば引っ込めてくださることでしょう

 

あるいは、個人レッスンを行うピアノ講師が「きょうだい割引ありでOK」と考えているならそれもまたアリ。自由に決めて良いのではないでしょうか。

福耳
ただ、余分な神経を使う気がするので個人的にあまりおすすめはしません。

きょうだいでの月謝の割引がOKとすると、じゃあ保護者が習うならどうするか、あるいは従姉妹などの親戚はどうするか、など、新たな心配の種が出てきそうです。

シンプルに「ごきょうだいであっても、生徒さんお一人につきお月謝はいくらとなっております」と説明するのが一番無難ではあります。

万が一『割引してくれないなら上の子も辞めさせて別のお教室に行かせます』とか言われたら?
福耳
そのような保護者様とのお付き合いはこちらもご遠慮したいところ。願ったりと割り切ってさよならしましょう。

月謝の割引を求めて講師を脅かすような、価値観のかけ離れた保護者と長く付き合っていくのは大変です。

そのようなタイプの方は今後も色々なクレームを出してくることも考えられますので、私ならご退会これ幸いと前向きに考えます。

ココがポイント

保護者によるきょうだい割引要求は「ダメもと」で言っているだけのことが多いので、講師の判断により断ってOK。受け入れる手もあるがおすすめしない。

月謝の現状維持要求

グランドピアノの譜面台

テキストが進んできたので規定により月謝が上がることをお伝えしたところ、『別に難しい曲が弾けなくて良いから同じレベルの教本を続けてほしい』と言われました。
福耳
これは私も言われたことがあります。生徒の年齢と、ピアノとの関わり方によって対応を決めます。

保護者を説得する

福耳
私は保護者を説得し、テキストのレベルアップに伴う月謝の金額アップを受け入れて頂きました。

その生徒は当時伸び盛りで、どんどんテキストが進み、面白いように上達していきました。

楽譜の種類も増え、曲が長くなるにつれレッスン時間も長くなりレッスン時間に収まらなくなったので、月謝の金額のアップをお願いすることになったのでした。

保護者にしてみたら「頼んでもいないのにレッスン時間が増えた」「テキストも次々に新しいのを買わされる」感覚だったかもしれません。

「ウチは今のままでいいんですけど。どうしてもレッスン時間を増やさないとダメですか?」と言われてしまいました。

私は「お子さんは現在伸び盛りで、多くのことを吸収できる時期。この機を逃すのはもったいない」と説明。生徒本人もレベルアップを希望したので、最終的に受け入れて下さいました。

 

この時は生徒本人がすでに高学年で、ピアノ上達の意欲が高かったのが鍵となりました。

生徒の年齢がまだ低い場合は、本人のピアノへの取り組み方をよく観察しましょう。

そして伸びしろがありそうなら、保護者に金額アップの必要性を納得して頂く必要があります

福耳
生徒の様子をみて、練習をきちんとするなど今後伸びていきそうなら保護者にそれを説明し、理解していただくのが一番です。
あまり練習しない生徒なら?
福耳
割り切って現状維持でいいんじゃないでしょうか。淡々と仕事するのみです。

保護者の要求を受け入れる

生徒にピアノの素質があるのに保護者の現状維持要求が強い場合はどうなりなすか?
福耳
それを受け入れるしかありませんね。

私の友人が同じような体験をしています。

これ以上のピアノのレベルアップは必要ない。塾などで忙しいので子供の負担を増やさないでほしい」とのご要望だったので、その通りにしたとのこ

かなり上手な生徒さんだったようで、友人も期待してレッスン時間をオーバーするなど熱心に教えていましたが、以後関わり方を変えました。

「頂くお月謝の分はしっかり教えるけど、レッスン時間のオーバーなど、必要以上に力を入れて指導するのは一切なしにしたわ」と語っていました。

ちょっと寂しいですね‥。
福耳
そうですね、でも仕方ありません。多くの生徒にとってピアノはあくまでも趣味ですから。

保護者には子供の将来に対する責任があります。

彼らが「ピアノより勉強が大切」と考えるのは自然なこと。私たちのように人生をピアノに捧げる人間の方が少数派なのです。

福耳
私たちにできることは、ピアノが生徒の友達であり続けてくれるようお手伝いをすることだけです。

ココがポイント

月謝の現状維持を要求されたら生徒の意欲により保護者を説得するか受け入れるか決める。保護者の意志が強い場合には講師側が受け入れるのが常道。

月謝の値下げ要求

ピアノの鍵盤

『近所の別のお教室のお月謝は◯円だそうですよ。そっちへ行こうかしら(笑)』ってはっきり言われちゃった。
福耳
さしたる理由なく月謝の値下げを要求してきている訳ですよね。私なら塩対応になっちゃうかな。

「月謝のきょうだい割引要求」の項とやや重なりますが、「月謝の値下げ」を要求してくる保護者は、物事の価値基準が多くの保護者と異なります

どちらかというと、テストの点数や立派な車など、目に見えるものにお金をかけるのを好むタイプが多く、ピアノのように長い時間をかけて技術を磨いていくような習い事には本来あまり興味がないのです。

音楽や美術のような芸術活動にお金をかける精神的土壌を持ち合わせていないともいえます。

人が使えるお金や時間には限りがありますので、どうしてもピアノに対する優先順位が低くなり、「少しでも安くなりませんか〜」とばかり講師に圧力をかけてくるのでしょう。

福耳
『お安いお教室の方に行こうかしら』などと言われたら、真顔で『ご退会希望との理解でよろしいですか?』と言ってみてはどうでしょう。

あわてて「冗談ですよ」などと言ってくれれば、聞かなかったこととして今後も何事もなかったように接しましょう。二度と言わなくなるはずです。

「そうですね、考えさせて頂きます」とくれば、去る者は追わず。空くであろう時間枠を、別の生徒にどのように割り振るかの算段を始めれば良いのです。

そんなこと言えるかなあ‥
福耳
若いあなたにはちょっと大変かもね。でも、自分の仕事を安売りする必要はないの。堂々と「値下げなどはできかねます。」と答えましょう。

ピアノという習い事に対する評価も熱意も低い保護者は、とかく他にも様々なクレームをつけてくることが多くなりがちです。↓

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「ぜひ、この先生にピアノを習いたい」と思われるようなピアノ講師になることが、こうしたクレームを跳ね返す一番の力になります。

ピアノという楽器は永遠に学び続けることができるもの。生徒に慕われ、保護者に尊敬されるピアノ講師を目指しましょう!

ココがポイント

月謝の不当な値下げ要求ははねつけてもOK。去るものは追わず。地域に支持されるピアノ講師になることを目指す

まとめ

ピアノの鍵盤上の一万円札

  • 月謝の納入トラブルは予防が第一。月謝袋に押印してすぐ保護者側に返却すればかなり防げる
  • 月謝のきょうだい割引は講師の考えによるが、なるべくシンプルに設定するのがおすすめ
  • レベルが上がっても保護者が月謝の金額アップを望まない場合は、生徒のピアノへの取り組みによって説得するか受け入れるか決める
  • 月謝の理由なき値下げ要求は拒否する。支持されるピアノ講師・教室になることが、こうしたクレーム封じにつながる
月謝に関するクレームには、とにかくあわてずに冷静に、対処するのが一番ということですね。
福耳
はい。何しろお金が絡むので、こじれるとやっかいです。日頃からピアノの先生仲間のネットワークを作っおいて、保護者のクレーム対処やトラブル防止策の情報交換をしておくのがおすすめですよ。

本記事では、話をシンプルにするために比較的わかりやすい例を挙げてご説明しましたが、実際にはもっと複雑な様相を呈した月謝(お金)に関するクレームがあるようです。

日頃からアンテナを張っておき、いざという事態に備えましょう。

本記事がお役に立てればこんな嬉しいことはありません。

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福耳

ピアノ教師歴約40年。 東京都西部のとある音楽大学卒業後、いわゆる「街のピアノの先生」として活動してきました。 ごく普通の子供たちにピアノという楽器の素晴らしさを伝え、音楽を生涯の友として過ごすためのお手伝いをするのが目標です。

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