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ピアノ教室の悩み

【ピアノ教室】レッスンへの保護者のクレームの対応方法|苦情?無茶ぶり?見極めが鍵!

頭を抱える女性

ピアノの先生やってると、実際クレームとかあるんでしょ?ちょっと怖いなあ‥
福耳
社会人として仕事をするからにはクレームはつきもの。きちんと対応すればそれほど心配しなくても大丈夫よ。

ピアノ教室を運営していると、多くの子供たちとともにその保護者たちとも関わることになります。

中には非常識な人や困ったタイプの保護者がいること、その対応方法については既にお伝えしてきました。

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ただ、そういった方々とは別に、きちんとした常識人と思われる保護者からクレームを受けることもあります。

そして中には苦情と無茶ぶりの区別のつきにくいグレーゾーンのクレームなども。この場合はそれらの見極めが鍵となります。

以下、ご一緒に考えて参りましょう。

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【ピアノ教室】レッスンへの保護者からのクレームとは

本記事ではピアノ教室へのクレームのうち典型的なものを大きく3種類に分けてみました。

ピアノ教室のクレームの種類

  • レッスンについて
  • 発表会について
  • 月謝について
福耳
ピアノ教室へのクレームは、だいたいこのように分類される印象ですね。

本記事では、主にピアノレッスンそのものについてのクレームと、その処理の仕方を考えて参ります。

月謝についての保護者のクレームに関する記事はこちら↓

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レッスン時間についてのクレーム

蓋の開いたグランドピアノ

福耳
レッスン時間についてのクレームは、ほぼ以下の3つに集約されますね
  • 「時間が規定より短いのではないか」
  • 「終了時間ぴったりに終わらせてほしい」
  • 「前の生徒がウチの子のレッスン時間に食い込んでいる」

時間が規定より短い

ピアノレッスンの時間の長さは、極力規定通りに合わせるべきもの。

保護者が「短い」とクレームを出してきているなら、まずはしっかりと検証しましょう。

そして、実際に短くなっていたのなら誠意を込めて謝罪し、以後決して繰り返さないよう気を付ける必要があります。

「学校役員になってしまい忙しかった」「大切な用事で早めに切り上げる必要があって」「次の子がコンクールに出るから」‥などは全て講師側の都合。

生徒には関わりのないことです。

 

ただ、なかには保護者が勘違いをしているケースもあります。

そうした時は「レッスンは◯時から●時であり、時間通り正しく行われた」ことをきちんと表明しておきましょう。

その場合は謝罪の必要はありませんが、あくまでも穏やかに冷静に、事実を淡々と伝えましょう。

福耳
「15分も短いじゃないか〜!」と電話で怒られた事がありますが、事実をお知らせしたらわかって頂けました。

終了時間ぴったりに終わらせてほしい

前の生徒がレッスン時間に食い込んでいる

これ、たまに言われることありますが毎回ピッタリは正直ムリなんでは‥
福耳
はい、本当に難しいんですよね。

上の項と矛盾するようですが、ピアノレッスンを毎回毎回ピタリと時間通りに終わらせられる先生は多くないと思われます。

レッスンにはキリの良い「切れ目」とでもいうものがあり、なんとかそこで終わらせてきれいにしめたいもの。

ところが相手の生徒は生身の人間なので思惑通りにいかず、どうしても数分のズレが生じるのです。

 

上の項のような「レッスン時間が短い」とのクレームは避けたいもの。

なので、ある生徒の時間が数分短くなってしまったら、次の週には若干長めにするなどバランスをとり、1ヶ月単位で平均して規定通りのレッスン時間を行うよう配慮するのが現実的です。

ココがポイント

「レッスン時間が短い」のは正当なクレーム。しっかりと検証し短ければ謝罪を。数分のズレは、1ヶ月単位で平均して規定通りの長さに収まるよう配慮を

レッスン内容についてのクレーム

ピアノで遊ぶ幼児の手

  • 「レッスンがつまらない。もっと楽しく教えてやってほしい」
  • 「上達が遅い・友達にテキストの進度を抜かされた」
  • 「細かい指導はいらないからさっさと弾けるようにして」

「つまらない、もっと楽しく」

福耳
幼児の保護者に多いクレーム。何を目的としてピアノを習うのかを保護者に質問するのがおすすめです。

「レッスンがつまらないのでもっと楽しく教えて」。これを言う保護者には2種類のタイプがいます。

①とにかく音楽の楽しさを知ってほしいタイプ。ピアノの上達は二の次で良いと考えている

②ピアノという楽器をよく知らず、「楽しく遊びながら上達できるはず」と考えている

 

①のタイプであれば問題なし。希望通りにレッスンを工夫し、体を使った遊びやゲーム、クイズや歌などのメニューを取り入れていきましょう。

②のタイプには「楽しく遊びながらどんどんピアノが上達」することはあり得ず、上達を望むなら地道な練習が必要であることを教える必要があります。

その部分を質問によりはっきりさせてから対処するってことね。
福耳
その通り。ご存知ないことはお教えすれば良いのです。

ただし、お教えした結果、「じゃあやめます」となる可能性はありますσ(^_^;)どこまでご希望に添うかは各先生の判断次第となります。

なお「本当につまらないピアノレッスンをしてしまっていないか?」という自問は続けるようにしましょう

「上達が遅い・抜かされた」

福耳
保護者にレッスンへの協力をお願いしてみましょう。

教育熱心な保護者に多いクレーム。「とにかく早くテキストを進めてほしい」「後から習い始めたお友達に抜かされるなんて言語道断」。

こんな保護者には、レッスンへの全面協力をお願いするに限ります

毎回の付き添いはもちろん、ご一緒にレッスンを受けるつもりでメモなど取って頂き、家ではできる限り講師の指示通りにしっかり練習させること。

学年により望ましい練習時間は異なりますので、最低限の練習時間を確保した上でのプラスアルファも。

まずはこの状態を最低半年続けて頂ければ、結果が出てくるはずです。

「働いてるのでそんなの無理」とか「練習させるのはそっちの仕事でしょ」などの返答であればただの無茶ぶりなので、悩む必要はありません。

福耳
現在の進度は練習不足の結果であること、またテキストの進度だけが上達の度合いを示すものではないことを淡々とご説明するのみです。

「細かい指導は不要」

ピアノを弾くためには、正しい姿勢やポジション、呼吸、また鍵盤の位置や指番号の把握、さらには譜読みの力が必要。

ところが、「別にピアニストになるわけじゃない」からと、「そんな面倒くさいことは必要ない」という保護者が時々います。

ピアノのことをよく知らないか、またはピアノに興味がなく、「子供がピアノが弾けるようになった」という結果だけが欲しいタイプです。

福耳
先生の考え方により対応は分かれます。

保護者の希望通り、生徒には「ある曲の弾き方」だけを教え、「余計なこと」は教えない

すると教えた曲しか弾けない・弾かない生徒になりますが、それはそれでOKと割り切ることになります。

あるいはそれでは決まった曲しか弾けないことになり本当の演奏力がつかない」ことをなんとかして保護者に伝え、理解を求める手もあります。

どちらを取るかは講師の指導方針により変わってくることでしょう。

福耳
ご自身の「指導理念」がここで生きてくるわけですね。
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ココがポイント

レッスン内容へのクレームは、教室の指導方針を参考にどこまで寄り添うか決める

振り替えレッスンに関してのクレーム

ピアノのボトルアート

  • 「定期テストの勉強をしたいので振り替えを」
  • 「病気で休んだのに振り替えがないのは納得いかない」
  • 「きょうだい間でのレッスンの入れ替え希望」

定期テストの勉強のための振り替え

病気の際の振り替え

福耳
この二つの事案については以下の記事に詳しいです。
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きょうだい間でのレッスンの入れ替え希望

きょうだい間でのレッスン時間の入れ替え希望という例がありまして、この週だけは上のお子さんと下のお子さんのレッスン時間を逆にしてというもの。

福耳
これはクレームではなくご希望。お二人とも振り替えの扱いになりますが問題なしとお伝えしました。

認められないのは以下のケース。

  1. きょうだいで別の曜日にレッスン
  2. 下の子が風邪で休むので代わりに上の子を行かせたい
  3. 上の子のレッスン時間には当然上の子本人が来る
  4. 逆に上の子が用事で休む時はその分のレッスン時間に下の子を行かせたい
  5. 下の子のレッスン時間にも下の子は来る
  6. 保護者は「二人分の月謝を払っているのだから当然可能なはず」と主張
うーん‥ダメなような気がする‥うまく説明できないけど‥
福耳
それぞれの生徒のレッスン回数が変わってしまうため、この事例はNGです。

この事例を要約すると、「きょうだいで習っているのだから、用事や都合により自由に上下の子のレッスン回数を変えたい」となります。

極端な話、「4月は上の子5回下の子3回、夏休みは上の子0回で下の子が8回」などが可能なことに。

一人の生徒の年間レッスン回数は「◯回」と決まっており、きょうだいだからといって回数が多くなったり少なくなったりと自由に選べることにはなりません

保護者は「二人分の月謝を払っている」という感覚なのですが、講師側が受け取る月謝はきょうだいであれ別の生徒であれ変わらず「二人分」。

くだんの保護者はかなりご不満のようでしたが私は譲らず、最終的に納得して頂きました。

福耳
この事例を認めてしまうと友人間などでもレッスンの入れ替えが可能なことになってしまい、モラルが崩壊します。

ココがポイント

振り替えレッスンに関しては、正当な要求と無茶ぶりの区別をはっきりさせて対応する必要あり

その他レッスンに関するクレーム

カバーのかかったグランドピアノ

  • レッスン室が暑すぎる(寒すぎる)
  • 子供が泣いて帰ってきたが?

レッスン室の気温について

夏の暑い日、走って教室に来る生徒はエアコンのきいた室内でも汗だく。ところがずっと狭いレッスン室にいる講師は寒く感じ、エアコンの温度を高めに設定していたら「子供が暑くてかなわないと言っている」とクレームが。

これはなかなか難しいケース。

暑さ寒さの感覚は人によりまったく違いますし、ある生徒にとっては暑くても別の生徒には寒く感じることもザラだからです。

福耳
別に私が歳とってるから寒く感じるワケじゃないのよ〜本当に人それぞれなんです。
あっそ。んでどうすればいいの?

これは、やはり衛しながら生徒に合わせるのが適当です。

寒いなら真夏でも厚着して手の冷えを防ぎ、エアコンの真下に長時間座ることを極力避けるようにしましょう。

同時に保護者にも「気温の感じ方には個人差があること」を伝え、ある程度は歩み寄ってもらうのがおすすめです。

「あまりに寒いのを我慢していると手が冷えて怪我をする可能性がある」と言えば納得して下さるのではないでしょうか

福耳
部屋の気温についてはこまめに生徒に確認するクセがつきました。

ただし、「部屋が暑すぎる(寒すぎる)から子供が上達しない。どうしてくれる」なんて言ってくるのはクレーマー保護者なので、悩まなくてもOKです。

「子供が泣いて帰ってきたが」

「レッスンを受けた子供が泣きながら帰ってきた。どういうことか」というクレームは、ピアノ講師である以上避けて通れません。

福耳
なぜその生徒は泣いて帰っていったのか、原因を考えてみましょう。

レッスンが厳しすぎた・あるいは言葉かけがややキツかった・または熱が入りすぎた。いろいろな原因が考えられます。

また、普段から泣きやすいタイプの子供かそうでないタイプかもポイント。

中には「その音違ってるよ」と言っただけで泣き出す生徒もいるからです。

あるいは、生徒が講師の言葉を誤解してとらえていたり、保護者には自分の伝えたいことしか伝えていないケースもあり、講師側が反省すべき事案かどうかわかりにくいこともあります。

いずれにしてもデリケートな女の子に多い事案なので細心の注意を払い、じっくりと対処することをおすすめします。

福耳
「泣く生徒」はピアノ教室の悩みの筆頭事項。いずれ別記事にまとめたいと思います。

ココがポイント

レッスン室の気温はこまめに生徒に確認、歩み寄り。「子供が泣いて帰ってきた」クレームは、まず原因を探ったのち慎重に対処。

まとめ

頭を抱える女性

  • レッスン時間に関するクレームは誠意をもって対処。ただし毎回ピッタリに終わらせるのは難しいので1ヶ月単位でズレを補正すると良い
  • レッスン内容に関するクレームは教室の指導方針をもとにどこまで寄り添うか判断する
  • 振り替えレッスンに関するクレームは正当な要求と無茶ぶりの区別をはっきりさせて対処
  • その他のクレームは事例ごとに慎重に対応するのがおすすめ

ピアノ教室のレッスンに関する保護者のクレームのうち代表的なものについて、その対処方法をお伝えしました。

クレームにはちゃんとしたものと無茶ぶりのものがあって、ひとつひとつ見極めてていねいに対処ってことね。要は慣れかな。
福耳
そうですね。慣れないうちはちょっと大変だけどみんなが通る道。あなたも必ずできるようになるから頑張って。

大切なことは、クレームを「単なるやっかいごと」ととらえないこと。

クレームのなかには、講師として反省すべきことや、今後のレッスンに生かせる気づきも含まれています

クレームを出してくれる保護者というのは、ある意味ありがたい存在。

誠意をもって対処し、保護者からの信頼を得られれば、その後もずっと長い間、良い関係を築いていけるようになるものです。

本記事が、あなたのピアノ教室のクレーム対処の参考になれば嬉しいです。

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福耳

ピアノ教師歴約40年。 東京都西部のとある音楽大学卒業後、いわゆる「街のピアノの先生」として活動してきました。 ごく普通の子供たちにピアノという楽器の素晴らしさを伝え、音楽を生涯の友として過ごすためのお手伝いをするのが目標です。

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