ピアノ教室では、たまに「生徒が月謝をなかなか持って来ない」「レッスンを受けながら何ヶ月も月謝を滞納したまま」などという不可解な事が起こります。
「ピアノの指導」というサービスを受けながらその費用を支払わないという神経は信じられませんが、残念ながら一部の保護者の中にはそうした人がいるのも事実。
昨今の保護者たちは忙しく、正直「ピアノの月謝など気にかけているヒマはない」などという感覚の人もいるもの。
要は、そのような保護者は月謝の支払いが面倒くさいのです。
本記事では、ピアノ教室でしばしば起こり得る「月謝の未払い・滞納」を避ける方法についてお伝えします。
転ばぬ先の杖としてお役に立てればと存じます。
目次
「月謝の滞納」について教室規約に明記
ピアノ教室において「月謝の滞納」という事案を起こさせないための一丁目一番地。
それは、教室規約に「月謝の支払い日」などの情報と合わせて「月謝の滞納が起こった時の扱い」について記載しておくことです。
教室規約・月謝についての項目
- 月謝の納入日(「毎月第1週のレッスン日」など)
- 月謝の支払い方法(手渡し・銀行振込など)
- 月謝の滞納時の扱い(2ヶ月滞納時点で退会して頂きます、など)
このように規約に記しておくだけで滞納を抑止する効果はありますが、ダメ押しで体験レッスン時に口頭でも伝えておくと安心。
先々月謝の滞納が起こって困るよりは、最初からきちんとお伝えしておくのがおすすめです。
ココがポイント
教室規約に月謝滞納時の扱いについて記載しておく
月謝の未払い 1ヶ月以内
月が変わって月謝を収めるべき時期になっても支払われない場合は、保護者が月謝の支払いを忘れているか、生徒が出し忘れていることが多いです。
私は、2週目以降には自分から生徒に「お月謝持ってきていれば預かりますよ」とこまめに生徒に声かけをします。
「頂く立場である自分からは言い出しにくい」という声もありますが、ピアノ講師が生徒にレッスンをするならば、対価を受け取るのは当然のこと。
保護者にとっても、渡したはずの月謝がレッスンバッグ に入ったままというのはかなり困るはず。
これでハタと思い出して払ってくれれば何の問題もありません。
ピアノ教室において月謝の滞納が問題になるのは、多くの場合先生が未払い状態を放置しておくためです。
「月謝が未払いのまま1ヶ月が過ぎる」ということがないように気を配るのが、滞納を未然に防ぐ一番のコツです。
ココがポイント
月謝未払いのまま1ヶ月が過ぎることのないようにこまめに声かけ
月謝の滞納 1ヶ月〜2ヶ月
月謝が未納のままの状態が2ヶ月目に入った時点で、私は保護者に連絡します。
これは、生徒に声かけをしているにもかかわらず、支払われるべきお金が支払われないまま1ヶ月以上経過したということ。
この時点ですでに黄色信号が点滅しています。
連絡は電話ではなく、メッセージアプリやLINEなど、通信日時記録の残る方法で行います。
メールでも良いですが、万が一先方に削除されてしまうと「受け取っていない」と言われる可能性があるためです。
この時点ではまだ文言は穏やかに。
「先月分のお月謝をまだ頂戴しておりません。大変恐れ入りますが今月分と一緒にお納め頂けませんでしょうか」など、穏当な言葉を選びましょう。
多くの場合、保護者がおっちょこちょいで忘れているか、面倒がっているだけなので支払って頂けるはずです。
1度メッセージを入れても返信がなかったり、その後も相変わらず未納が続くようであれば繰り返し書き込みます。
ここに至っては、もはや生徒には月謝のことは言いません。子供である彼らには責任のないことだからです。
完全に保護者とのやりとりに徹し、ピアノのレッスンはきちんとこなすようにしましょう。
決して月謝の未払いの件がレッスンに影響しないように気を配ることをおすすめします。
ココがポイント
月謝未納のまま2ヶ月目に入ったら保護者に通信アプリで連絡
月謝の滞納 3ヶ月以上
- 保護者に渡す正式文書を作成
- 確実に保護者に届ける
- 生徒へのレッスン停止
保護者への文書作成
月謝滞納を続ける保護者に対し、書面で督促を行いましょう。
正式な文書の型を踏襲し、月謝の滞納状況と支払い期日を明記。
期限までに滞納が解消されなければピアノ教室を強制退会処分となる旨を事務的に記します。
これは教室からの最後通告であり、保護者に一定の圧迫感を与える効果が期待できます。
文書を保護者に届ける
せっかく作成した文書が保護者の手に渡らなければ意味がありません。
生徒に手渡しする場合は中を見られないように封筒に入れて封をし、「必ずおうちの人に渡してね」などのように念を押します。
もちろん上記封書を手渡した旨をLINEなどに書き込んでおきましょう。
生徒に渡さず郵送すれば、よりフォーマル感が出ます。内容証明郵便物として郵送するとさらに確実。
生徒へのレッスン停止
この段階に至っては残念ながら、当の生徒へのピアノレッスンは停止せざるを得ません。
でも、「月謝の滞納」という非常事態にあってはここが何よりも肝心なところ。
上記の文書を手渡したら、レッスンをせずに生徒を帰宅させましょう。
教える事が好きで、生徒たちに愛情を持って指導している多くの先生方にとっては何よりも辛いことですが仕方ありません。
私たちピアノ講師は、ピアノを教えることを職業とする者。
特定の生徒にのみ無償で教えるなど、決してあってはならないことなのです。
退会の場合の未納分の扱い
これで滞納状態が解消されれば晴れてレッスン再開。
そして、もしも保護者が退会を選ぶのなら、得られなかった数ヶ月分の月謝のことは潔く諦めるのをおすすめします。
生徒の家にまで出向いて行っても居留守を使われるのがオチですし、さらに法的手段に訴えるなどは街のピアノ教室にはなじまないでしょう。
ココがポイント
3ステップで滞納解消を目指す。期日までに月謝の支払いがなければ強制退会の手続きをとる
まとめ
- ピアノ教室において月謝の滞納を未然に防ぐには「予防」が大切
- あらかじめ教室規約に「滞納時の扱いについて」記載しておく
- 生徒が月謝を出し忘れていたら声かけをする
- 2ヶ月目以降は、直接保護者とLINEなど記録の残る方法でやりとり
- 3ヶ月目以降は「保護者に文書で督促」「期日までに支払いがなければ強制退会との通告」「生徒へのレッスン停止」などの措置をとる
ピアノ教室での月謝の滞納について、未納期間別に対処方法をお伝えしました。
ピアノの先生の中には、とかくお金のことを生徒に伝えるのが苦手な方がいるものです。
レッスンに集中したいあまり、月謝の未納が続いても「そのうち払って下さるだろう」なんて思いながらつい催促を先延ばし。
最悪の場合そのまま退会されてしまった‥(ノ_<)なんてことだけは避けたいですよね。
「月謝の滞納」は、ある意味ピアノの先生自身が招いているともいえます。
サービスを受けながらその費用を支払わないのは、レストランで飲食してお金を払わずに出てくるのと同じ。
決してあってはならない事であり、また先生方にはそれを起こさせない責任があります。
冷静に、しかし毅然と対処し、この難局を乗り切って頂きたいと思います。
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